ビッグフェイスの文字盤に描かれた幾何学模様は、矢印、植物の葉、松がモチーフ。いずれもモダンなデザインだが、実はこれ、福井県鯖江市が誇る地場産業「漆器」と「眼鏡」の技術を集結した世界唯一のバングルウォッチだ。
文字盤は漆塗りで、現代の名工に選ばれた塗師・山田秀樹氏によるもの。漆は乾燥も至難のわざ。湿度と室温を徹底管理して乾燥させた文字盤は、さざ波ひとつなく、月明かりに照らされた湖面のよう。そして漆の光沢をさらに輝かせるのは、職人がモチーフ模様を本銀粉で繊細に描く「銀蒔絵」。加えてあわび貝を使った螺鈿や截金などの技法を用い、時計を見るときに一番の輝きを放つように仕上げている。
バングル素材は、眼鏡フレームに使われる質感のよいアセテート。そこにチタン製のバネを合わせている。
「アセテートは植物由来の樹脂で軽く、肌なじみがよいのが特徴です。熱で形が変わる特性があるため、使うほど腕になじみます。つけ心地を求めるのに、3年を費やしました」と語るのは、製造元代表の五十嵐一男氏。「鯖江の革新的な時計です。ほかにはない光沢や輝きを楽しんでほしい」と胸を張る。
【今日の逸品】
鯖江のバングルウォッチ MAKIE
サンユー
41,040円(消費税8%込み)