今では国産眼鏡フレーム生産の95%以上を担い、“眼鏡の聖地”とも言われる福井県鯖江市。古くから越前漆器の産地として知られてきたこの地で眼鏡作りが始まったのは、明治38(1905)年のことだった。当初は、職人や農家の副業的な仕事だったが、部品作りを分業することで眼鏡作りは町全体に広がり、大きく発展した。
そんな鯖江で眼鏡用の極小ネジや丁番といった金属部品の製造メーカーを前身に持つ眼鏡工房・西村プレシジョンは、培った経験と技術を活かし、驚くべき読書用眼鏡を作った。折り畳むと真っ平らになり、厚さはたった2mmになるという極薄の眼鏡だ。
普通の眼鏡が耳にかけるつるをレンズに直角に折り畳むのに対し、本品はつるがレンズの上にくるように折り畳むことで、この薄さを実現させている。厚さ2mmの範囲内で仕上げられた特殊な丁番も、高い技術力と設計力の証だ。
優雅な曲線を描くステンレスのつるは、軽く、無理なく顔にフィットする。胸ポケットに入れても邪魔にならず、しおりのように本にも挟める。
どこにでも収納しやすく機能的で美しい、シニアグラスの名品である。
【今日の逸品】
ペーパーグラス
西村プレシジョン
16,200円(消費税8%込み)