かつて、江戸の火消したちは、町にひとたび火事が起こると消防刺子の半纏を身にまとい、水を頭からかぶって燃え盛る炎に飛び込んでいった──。襲いくる火の手と闘う勇敢な男たちの火事装束であった消防刺子の伝統を、現代風のハンチング帽にアレンジしたものが本品である。
「消防刺子の特徴は、とにかく頑丈なこと。生地が二重に織られており、燃えにくいことから火消しの装束に使われていました。若い方には新鮮さを、ご年配の方には懐かしさを感じていただけます」と、depインダストリー代表の杉本 哲氏は語る。同社は本来、日本の伝統工芸を生かしたバッグを主に製作しているが、消防刺子を現代によみがえらせたいという想いから、このハンチングの開発に至ったという。
一般的な刺子は柔道着や剣道着に用いられるが、それを上回る堅牢性を誇るといえば、消防刺子の頑丈さがわかるだろう。その丈夫さゆえ、長年使い込むことで刺子生地の風合いの変化まで楽しめる。
紅白のしゃれたワンポイントは、火消しの階級や所属を示すあしらいを現代風に落とし込んだもの。いなせな江戸火消しの美意識が込められたこんな帽子を身にまとえば、気分も歩みも勇ましくなる。
【今日の逸品】
消防刺子のハンチング
デポリーバ
18,144円(消費税8%込み)