
左から大、中
中蓋、外蓋ともに気密性を高めた精緻な作り。
みちのくの小京都と呼ばれる、秋田県の角館は、ヤマザクラの樹皮を用いる伝統工芸「樺細工」が盛んな土地。その技法は18世紀末に角館に伝えられ、今日まで技術が継承されてきた。
その代表格が樺細工の茶筒だ。この品は筒の表面はもとより、内側から蓋までヤマザクラの樹皮で作った「総皮づくり」の名品である。ヤマザクラは適度な通気性により、湿気を防ぎながら過度な乾燥も防ぐ。実用と美しさを兼ね備えた一生ものの工芸品である。

木型を使い、薄く削った樹皮に熱したコテを押しつけて根気よく貼り付けていく。「樺細工」は秋田県だけに残る工芸品である。
【今日の逸品】
総桜皮茶筒
冨岡商店(日本)
9,180円~(消費税8%込み)
