山形県天童市は古くから将棋の駒をはじめとする木工業が盛んな街。この地に本社を構える「天童木工」は、昭和15年の創業以来、革新的な技術とデザインで数多くの家具を発表。海外の美術館に収蔵される名品も生み出す日本屈指の家具メーカーだ。
同社が得意とするのは、戦後いち早く実用化した成形合板技術を用いた家具作り。合板の素材には主に強度と弾力性に優れたホワイトビーチ(ブナ)を使用。薄さ約1mmの板を重ねて型に入れ、プレス機で圧着し成形していく。
「貼り合わせる板の繊維の方向が互い違いになるように重ねることで、薄くてもしなやかで粘りがあり、割れにくくなります。合板は複雑なデザインも実現できる、軽くて丈夫な素材なのです」と、同社営業部の本橋直子さんは語る。
本品は、背と座を一体化させた三次元成形合板椅子。美しい造形は、世界を代表するインテリアデザイナー・剣持勇さんのデザインだ。「体を包み込むように支えてくれる丸みを帯びたフォルムは、長時間座り続けても疲れにくい快適さを備えています」(本橋さん)
張り地は、体の接触面にクッション性のあるウレタン入り。「ナチュラル」は表面にメープル材を使用。見た目に美しく、座って癒やされる椅子は、特別な憩いの時間を提供してくれる。
【今日の逸品】
剣持勇デザインの椅子
天童木工
71,500円~(消費税込み)