山形県の天童木工は、戦後になって本格的に家具作りを開始した。契機は高周波発振装置を導入し、日本のメーカーとしていち早く成形合板での製作を始めたことだった。この技術を使えば、無垢材からでは手間も時間も要する形状が自在に成形できた。しかも木の質感は損なわない。
そこで天童木工では、国内外の建築家やデザイナーと協働し、これまでの家具作りではできなかったデザインへの挑戦を試みた。そうして次々に家具デザイン史に残る製品を送り出したのだ。
このハイバックチェアの意匠は、北欧家具デザイン界で20世紀最大の巨匠といわれるブルーノ・マットソン(1907~88)の考案による。マットソンは日本人の暮らしに適した家具をデザインするため日本旅館に滞在し、試作品を持ち込んだりして研究した。
そして、畳を傷付けにくいように床に接する面積が大きいこのハイバックチェアをデザインしたのだ。
人間工学に基づいた、身体に合う流麗な曲線が美しい。オットマンと組み合わせると、細いフレームのしなりの効果も重なり、まるでハンモックに身体を預けたような極上の座り心地である。
商品名/ハイバックチェア
メーカー名/天童木工
価 格(消費税8%込み)/92,880円~187,920円