■ひなた(2歳、メス)
我が家には現在、6にゃんの猫家族がいます。その中でも、特に思い入れのある五女のお話です。
三女と四女は、保健所からボランティアの保護主さんによって救い出され、里親募集の末、我が家にやってきた猫たちです。その保護主さんとは、譲渡の後も近況報告などでやり取りをしていたのですが、三女と四女が我が家にきて2か月くらい経った頃、保護主さんから「綺麗でかわいい子はすぐに里親が見つかるのに、どうしても残ってしまう子がいる」という話を聞きました。どんな子が残っているのか聞いてみたところ、サビ柄の女の子が1匹、どうしても里親さんが見つからない、とのこと。
そのサビの女の子は、我が家の三女、四女のすぐ後で保健所から引き出され、里親募集が始まったらしいのですが、同じ時期に里親募集した子や、サビの子より後で募集の始まった子はどんどん里親さんが決まるのに、サビの子だけはずっと、残ってしまっていたのだとか。
その話を聞いて、思わず「では、私が!」といってしまいました。
初めて会った時のことは、今でも忘れません。
「どうせあたしじゃないんでしょ」みたいに諦めた表情。ケージから出された時の戸惑うような態度。
その後、キャリーに入れて車で我が家に連れて帰ったのですが、その間1時間、ずっとグルグル、ゴロゴロと喉を鳴らしながら、安心したように眠っていました。それを聞いていたら、涙がとめどもなく流れてきて、どうしようもありませんでした。
その時、「この子はひなた!」と決めたのです。希望のなかった暗い場所から、明るく暖かい場所へ出ておいで、という意味と、この子自身が陽だまりのような優しい場所になる、という意味を込めて。
今ではたくさんの家族ができて、毎日が楽しくてしょうがないみたいです。
(ツイッターアカウント名:いちみ@ichichi_ichichi)