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【娘のきもち】父親の存在は絶対的なもの?母子家庭で育った女性がシングルマザーを選択した理由~その1~

取材・文/ふじのあやこ

近いようでどこか遠い、娘と家族との距離感。小さい頃から一緒に過ごす中で、娘たちは親に対してどのような感情を持ち、接していたのか。本連載では娘目線で家族の時間を振り返ってもらい、関係性の変化を探っていきます。

「子供ができてから母親の気持ちがやっと理解できたような気がします」と語るのは、理佐さん(仮名・40歳)。彼女は現在、都心よりの埼玉にある家で母親と8歳になる娘と暮らしながら、事務所に在籍してフリーランスとして結婚式場などでヘアメイクを行う仕事をしています。スラッとした長身で、明るい茶色の髪はツヤツヤ。ゆっくりと笑顔で話す仕草は好感が持て、接客業で培った愛想の良さを感じさせます。

離婚後に穏やかになる両親。離婚前の無言の空間が辛かった

理佐さんは栃木県出身で、両親との3人家族。覚えている家族団らんに会話があったイメージは一切なし。食事の時間はとても寂しいものだったそう。

「薄っすらと覚えている食卓は、テレビの音だけが流れ、3人で黙々と食事をしていた、だけでした。テレビは父親の趣味で野球中継などがかかっていた気がします。私はまったく興味がなかったので、それも含めて食事の時間はちっとも楽しくなかったことを覚えていますね」

他に小さい頃の両親の印象を聞いた時、「家族はバラバラになってからのほうがうまくいっていた」と言います。家族はバラバラ、それは両親の離婚を指しています。

「私が中学卒業間際に両親は離婚しました。私の受験が終わるまで両親は待っていてくれただけなので、離婚はそれよりもずっと前に決まっていたんじゃないかな。父親はいつからかは覚えていませんが、週に1度会うか会わないかの関係になっていました。でもそれを寂しいとはあまり思っていなかったから、父親の居場所を母親に尋ねたことはないと思います。それに父親がいないほうが母親は明るかった。両親のことを嫌いだと思ったことは一度もないけど、3人でいる空間は好きじゃなかったのかもしれませんね。

離婚してからも父親は月に数回家に来ていました。離婚したとは聞かされていたので、別れていたことは確実なんですが、離婚前と何ら変わらない距離感でしたね。それに、前にはなかった、両親が仲良さそうに話すところも何度か見かけたことがあります。今振り返ると、両親ともどっちつかずの関係の時が一番しんどくて、さっぱりしたことで友人みたいな関係になっていたんじゃないかな」

【次ページに続きます】

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