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リフォームで引き継ぐ親の思い(進藤晶子の暮らし・家計コラム 第5回)

夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。火曜日は「暮らし・家計」をテーマに、進藤晶子さんが執筆します。

文/進藤晶子

ファッションには周期があると言いますよね。20年前に流行したスタイルがまたブームになったり。私の大阪の実家には、学生時代からの服がまだ残っているのですが、その中からまた使えそうなものをプロの方にリフォームしてもらっています。これが、けっこう着られるんです!

たとえば、ワンピースは下だけ残してスカートにしたり、チュニック丈だったものはウエスト丈に変えて、残った布は首に巻くスヌードにしてもらったり。プロに頼めば、膝上丈だったワンピースに別布をうまく使って、膝下丈に伸ばすこともできます。

チュニックとして着用後に、ウエスト丈にリフォームしてもらった洋服。残布でスヌードができ上がりました。

テレビの仕事の場合、一度着た洋服は基本的に二度着ることはありません。私は衣装を専属のスタイリストさんにほとんどおまかせしていますが、ときどき自前で用意することもあります。でも、自分で買った洋服が1回しか着られないのは悲しいし、もったいないので、「何回着られるかな?」と考えながら購入するようになりました。

たとえばテレビの収録で一回、絵本の朗読会で二回目、その後インタビューのお仕事で、と何度か着回せるとうれしい。さらに学校行事などのプライベートでも着用し、その後リフォームすることも。

リフォームは関西で洋裁の指導もされているプロにお願いしています。リフォーム専門というわけではなく、洋裁を個人で受注されています。母が出会った方なのですが、母はそういうプロの仕事をする人を見つけてきて、長くおつきあいするのが上手。もう着られないかも……と私が選り分けた洋服も、「これはこの切り替えで縫い直せば、また違うデザインで楽しめる」と予想を立て、プロに発注します。これがまた、半信半疑で任せた私の予想を超えて、素敵に仕上がって帰ってくるのです。

若いころ花嫁修行の一環で(?)洋裁を習っていたこともあり、デザインや縫製の基本を理解しているからなのでしょうね。祖母の形見分けの着物を仕立て直して、家族の半天に作り替えたり、私の着物用の雨コートにしてくれたりしました。きっと祖母も同じことをしていたのでしょうね。母は祖母の姿を見て、物を捨てずに再利用する術を受け継いだのだと思います。

ジュエリーは石を買いなさい!

着るものだけでなく、ジュエリーもリフォームしています。私も祖母が残した指輪をペンダントに作り直してもらいました。指輪のデザインは流行遅れでも、石だけを外してペンダントやイヤリングに作り直すことができます。リフォームすればずっと使い続けることができますよね。

祖母が残した指輪がこのペンダントトップに変身。3世代にわたって楽しめることが何よりの付加価値ですね。

先日、ファッション誌を見ていたときのことです。細かいダイヤモンドを敷き詰めた流行のデザインの指輪が目に止まり、「これ、素敵!」と母に言ったら、「ジュエリーは、小さくても一粒になっている石の方が重宝するわよ」とアドバイスされました。
「たとえ小さくても、質の良いものなら子供に譲ってあげられるでしょう」と。私は深く納得しました。

思えば、誕生石がリフォームのお手本でした。

両親は出産を記念して、私の誕生石であるサファイアの指輪を購入しました。時折、母が着けていたことを覚えています。その指輪を、私が二十歳になったとき譲ってくれました。デザインは古くなっていたのでリフォームして贈ってくれたのです。

私も子供が生まれたとき、誕生石のアクアマリンを買いました。今はペンダントにして私が使っていますが、私が母にしてもらったのと同じように、二十歳のお誕生日にはプレゼントしてあげたいと思っています。

あらためて振り返ると、リフォームはいいものと長く付き合うための技であり、知恵でもあるんですね。私が両親から教えられたのは、「目先のものに飛びつくのではなく、長く使えるものを選びなさい」ということなのだと思います。

これは、物に対してだけでなく、仕事や人間関係など、すべてにあてはまることかもしれませんね。

文/進藤晶子(しんどう・まさこ)
昭和46年、大阪府生まれ。フリーキャスター。元TBSアナウンサー。現在、経済情報番組『がっちりマンデー!!』(TBS系)などに出演中。

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