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(1)ビル・エヴァンス『自己との対話』(ヴァーヴ) 演奏:ビル・エヴァンス(ピアノ) 録音:1963年2月6、9日、5月20日 最初の試みを「3台」で考えたところがじつに大胆。バラードの「ラウンド・ミッドナイト」などはピアノ3台では少々賑やかすぎる感じも受けますが、どうせやるなら狙いは明確に出そうということでしょう。なお、このアルバムはエヴァンス初のグラミー賞受賞作品となりました。

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お稽古は自分への投資、生きたお金の使い方(進藤晶子の暮らし・家計コラム 最終回)

夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。火曜日は「暮らし・家計」をテーマに、進藤晶子さんが執筆します。

文/進藤晶子

「でたっ、お稽古マニア!!」と言われたのは、ある対談でのこと。インタビューの名手・阿川佐和子さんに手を叩いて喜ばれたことを覚えています。

小児喘息を治すために4歳で始めたクラシックバレエに始まり、ピアノ、お絵描き、習字、水泳、英会話、声楽、タップダンス、テニス……と、今思えばかなり忙しい小学校から高校時代でした。さらに大学生になってからは日舞にお茶。そうそう、阿川さんに誘われてフラメンコにも通った記憶が(笑)。

私のお稽古遍歴1:バレエの発表会のリハーサル時の写真です。『くるみ割り人形』の花のワルツを踊りました。

私のお稽古遍歴2:小学生の頃のピアノ発表会の写真です。ピアノは高校一年生まで続けました。

長いものは12〜13年続けましたが、1年足らずでギブアップしたものもあります。性に合わないと感じたら無理して続けずに、興味のあることにどんどんチャレンジさせてもらえたのは、本当にありがたいことでした。

私はどうも、子供の頃からコツコツ練習することは苦手だったみたいです。その時その場で、体を動かして表現することが好きなんですね。現在の仕事も何か月もかけて準備するというよりは、本番の一時に集中して作り上げるたぐいのもの。こうしてお稽古歴を振り返ってみると、自分の性分や仕事との共通点などが見えてきて、おもしろいものだと感じます。

結局どれも“特技”と胸を張って言えるような腕前にはならず、「お金と時間を無駄にしたなあ」と残念に思っていました。が、意外とこれらの体験が今、私の助けになっています。

さまざまな分野のトップランナーにインタビューする際、子どもの頃のわずかな体験でも、そこから想像を膨らますと、相手の方のスゴさを痛感します。寝食を忘れるほど、そして身を削る努力が苦にならないほど、その分野を極めることに邁進してこられたプロフェッショナルに、より一層、尊敬の念が湧いてくるのです。

私のお稽古遍歴3:大学時代、夢中になった日舞。静かな動きに見えますが、究極のコアトレーニングでした。

私のお稽古遍歴4:お茶のお稽古も大学時代に始めました。“茶人中の茶人”と尊敬する先生に、三世代に渡って師事しています。

財産を残すより、知識や技術に投資する

「自分への投資は、生きたお金の使い方」。

両親から教えられたことのひとつです。財産を残し与えても、すべて失ってしまうこともある。でも知識や技術として身につけてしまえば、それは誰にも奪われない。そう何度も聞かされてきました。

でも、「怠けている」と判断されると厳しかった……。「ここに座りなさい」と、紙と電卓を取り出し、どれくらいの“投資額”なのか、私にかかる教育費に関して淡々と説明を受けました。お金に敬意を払っていない、生かそうとしていない、と。ひょっとしたら、身の丈にあった範囲の投資を覚えたのは、この時なのかもしれません(笑)。

その後“死に金”もたくさん使ってきたように思います。でも、それも肥やし。失敗してこそ学べることもあるのだと、自分を納得させています。

40代は「心のよりどころ」を探す種まき期間

40代も半ばを過ぎて、生きたお金の使い方が少しずつわかってきたように思います。自分の助けとなることには使い、我慢できるものは排除する。

神経がいら立っている時には、美術館を巡る。良い音楽を聴く。本を読む。最近ではお寺に座禅を組みに行き、心を和ませることも知りました。また悲しいことがあった時には、ちょっと奮発して、とびきりおいしいものを食べてみたりしています。

京都の禅寺で。坐禅を組み終えて、無の境地の背中です(笑)。

これからは、年を重ねても楽しめる、「心のよりどころ」を見つけるための種まきの時期だと考えています。

そのひとつとなりそうなのが、以前お話しした、朗読を中心とした活動(第6回)です。メディアを通した発信力とはまた違った魅力があり、毎回、新鮮な発見があります。

加えて最近、ゴスペルを始めました。前回もご紹介しましたが、佐々木かをりさんにお誘いいただいたのがきっかけです。ゴスペルといえば、教会で歌う黒人霊歌。聴くことは好きで、本場ニューヨークで聴いた時には、魂が揺さぶられるような迫力に大感激しました。

でも、それを自分で歌うとなると、「日本人の私が?」「クリスチャンじゃないけれど?」「歌うなんて何年ぶり?」 と、たくさんの「?」が浮かびました。でも、これも何かのご縁。と、練習に参加してみたら……大きな声で歌うって気持ちいい! 佐々木さんは10年近く続けている大ベテラン。天を仰ぎ、手をかざして、歌を捧げていらっしゃる傍らで、私は楽譜を読むので精一杯ですが、これから地道に頑張ります。ハレルヤ!!

「お稽古」という言葉には、どこか「お遊び」というニュアンスも感じられますが、「心のよりどころ」を探す絶好の機会でもあります。職種も肩書きも気にしない仲間との出会い。好きなことだけでつながれる気楽さ。なにより、今後の生活が彩り鮮やかになるとしたら、こんな生きた“投資”はないかもしれません。

文/進藤晶子(しんどう・まさこ)
昭和46年、大阪府生まれ。フリーキャスター。元TBSアナウンサー。現在、経済情報番組『がっちりマンデー!!』(TBS系)などに出演中。

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