新着記事

『チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス』

再生メディアの進歩はジャズを大きく変えた【ジャズを聴く技術 〜ジャズ「プロ・リスナー」への道43】

カードが入る小さな小銭入れ|外出時に必要な機能をコンパクトにまとめた

元気な100歳の3大秘訣「たんぱく質をしっかり摂取」「誰かと食卓を囲む」「世間の出来事に関心あり」

【お詫び】新型コロナウイルス感染症の影響による『サライ』4月号の付録変更について

孫の世話をするのは、当たり前ではない!「ばぁば」の半数以上が「孫育て」にモヤモヤしている

【嫌な部屋干しの臭い】生乾きの臭いを解消する有効な対策とは?

電動フルオートアンブレラ|開閉の途中で止められる、完全自動の電動傘

【京都人のお墨付き】「京料理 貴与次郎」店主・堀井哲也さんおすすめの和菓子「中村軒」

毎週月曜日更新!「ニャンコ先生の開運星占い」(2/24~3/1)射手座~魚座編

毎週月曜日更新!「ニャンコ先生の開運星占い」 (2/24~3/1)獅子座~蠍座編

通販別冊『大人の逸品』最新号はこちら

LINE公式アカウントでも記事を配信中

友だち追加

お気軽に友達追加してください

サライ本誌最新号(クリックで試し読み)

ピックアップ記事

  1. 北大路魯山人作「つばき鉢」1938年

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

サライ7月号付録「筋トレチューブ」トレーニング動画公開中!

暮らし

鍔鑿(つばのみ)|木造船を作る船大工には必携の刃物【にっぽん刃物イズム第6回】

文・写真/かくまつとむ

池波正太郎の『鬼平犯科帳』には、猪牙舟(ちょきぶね)という小舟がよく出てきます。当時、江戸市中は網の目のような水路でつながっていましたが、それは物資を効率よく運ぶためでした。

猪牙舟に似た昔ながらの木造船(熊野川の漁に使われてるもの)

人の移動にも舟は便利で、猪牙舟は今のタクシーのような存在だったと言います。吉原へ繰り出すときも「ちょいと舟で」という人が多かったとか。

水運というと、今ではタンカーのような巨大運搬船がイメージされますが、鉄道網が全国に広がる明治時代まで、日本の輸送の柱は船でした。北前船のような大きな廻船だけでなく、河口の港と内陸とを結ぶ川舟も無数にありました。低湿地の稲作や洪水の常襲地域でも欠かすことがでせず、かつては納屋に小舟を吊るしている農家もあったものです。

現在の船はFRP(ガラス樹脂)製ばかりですが、ごくわずかに木造船を作る職人がいます。船大工と呼ばれる人たちです。

木の船は、複数の杉板を曲げながら、船釘(ふなくぎ)という金具を斜め横から打ち込み、板と板を接合していきます。はぎ合わせという作業です。船釘と呼ばれていますが、その金具は扁平四角錐でそれなりに大きなため、薄い板にいきなり打ち込むと割れてしまいます。そこで欠かせないのが、事前にガイド穴を開けておく鍔鑿(つばのみ)という刃物です。

さまざまな鍔鑿(つばのみ)

つい刃物と書いてしまいましたが、じつはちょっと分類の難しい道具です。鑿(のみ)という名前で呼ばれているものの、柱のほぞ穴を刻む大工鑿とは構造も使い方も違います。鋭利な刃はついておらず、木は切削できません。刺さった穴が開くだけです。根元の鍔は、板にがっしり食いこんだ先端を逆から叩いて抜くためにあります。

鍔鑿はわずかに湾曲しています。開けた小穴から船釘を打ち込むと、最初は斜めに入るものの、内部では板の向きと平行になって隣の板の中心部にしっかり固定されます。

船釘


以前お会いした老職人は「自分たちは船大工と呼ばれているが、木造船を作る感覚は、どちらかといえば服の仕立てに近い」とおっしゃっていました。

木の船は板を火で曲げながら組んでいくので、パーツの図面は衣服と同じ展開図になります。板は布地。船釘はいわば縫い糸で、船釘を通すための鍔鑿は縫い針というわけです。面白い見方だなと思いました。

曲げながら立体的に組んでいく

今後、木造船に乗る機会がありましたら、ぜひ、そんな視点でも旅を楽しんでいただけたらと思います。

※文中写真は、紀伊半島の熊野川で、速玉大社の御船祭に欠かせない早船を作っている谷上嘉一さんの仕事場です。

文・写真/かくまつとむ
かくまつとむ(鹿熊勤) 自然や余暇、一次産業、ものづくりなどの分野で取材を続けるライター。趣味は日本の刃物文化の調査、釣りと家庭菜園&酒。『サライ』には創刊号から参画。著書に『鍛冶屋の教え』(小学館)、『日本鍛冶紀行』(ワールドフォトプレス)、『糧は野に在り』(農山漁村文化協会)など。立教大学兼任講師。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. 漆掻き鉋|日本の漆器づくりを支えてきた特別な刃物【にっぽん刃物イ…
  2. 国民的ナイフ『肥後守』は男子にとっての「武士の刀」だった【にっぽ…
  3. 出刃・柳刃だけじゃない!日本各地の独特な「魚包丁」4種【にっぽん…
  4. 野趣あふれる男の刃物!日本の漁師達が愛した万能ナイフ「マキリ」【…
  5. 意外と大変!やっかいな「のし餅切り」を楽しくしてくれる餅切り専用…
PAGE TOP