妻の両親は不仲。結婚の挨拶まで義母にしか会ったことがなかった
達二さんが結婚したのは30歳のとき。相手は職場で知り合った同い年の女性だった。達二さんは実家のある地方都市から就職で上京しており、相手の女性は都内出身で結婚するまで実家で暮らしていた。
「結婚する前の1年ほどはほぼ私の家で半同棲状態だったので、結婚前から相手の母親とは交流がありました。妻の両親は仲が悪くて家庭内別居状態だと聞いていて、妻は母親とだけ仲が良かったので自然と私も義母にしか会う機会がなかったんです。
義父には結婚の挨拶で初めて会ったのですが、少し変わった方という印象でした。4人で会うために食事の場を設けたのですが、会話に一切参加してこなかったし、食事が終わったら窓の外を眺めてぼーっとしていました。何度も話しかけたのですが、あまり反応がなくて……。義母も妻も義父に話しかけなくて、自然と3人での会話になっていた。どうしたらいいのか、とても戸惑いました」
結婚式は親族のみの小規模で行った。3きょうだいの達二さんの家は甥や姪もいたが、妻側の参加は義両親と姉、そして母方の祖母のみ。お互いの親には式に呼ぶ人数が違うことを伝えていて、妻側の3人が居心地悪く感じないような内容にしたという。
「私は、結婚式はしてもしなくてもどっちでもよかったのですが、妻がしたいと言ったので親族のみで行いました。職場が同じなので仕事仲間とはレストランを貸し切って、こじんまりした結婚パーティーを別で行いました。
親族との結婚式のときは式前に親族紹介を済ませたり、スピーチは私がするようにして、2人でゲストにお酌したり挨拶する時間を設けたりしました。義父は相変わらずでしたが、義母は感動して泣いていたし、姉や兄の子どものことも可愛がってくれていました」
妻は夫家族との交流を笑顔で参加しながら「ストレス」と言い切った。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。