マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」が、ビジネスの最前線の用語や問題を解説するシリーズ。今回は、会議を成果を生む場所へと変える識学流マネジメントについて取り上げます。

はじめに

組織の会議が「生産性の墓場」になってしまう最大の原因――それは「全員で決めよう」という、一見すると民主的に見えるアプローチです。しかし、識学の観点から言えば、「全員で決める」は最悪の意思決定方法です。なぜなら、それは責任の所在を曖昧にし、意思決定スピードを著しく低下させ、組織の力学を歪めるからです。

識学が強調するのは、「役割と責任の明確化」。

会議とは、本来「決める場」ではありません。会議とは、「決める人が、決めるために必要な情報を集める場である」のです。この前提が欠けた瞬間、会議は迷走し、時間は奪われ、組織の生産性は急速に低下していきます。

この記事では、識学の観点から、会議の目的、参加者の絞り込み、アジェンダ設計、運営術までを整理し、「ムダ会議」を「成果を生む会議」に変える具体的な方法を解説します。

「全員で決める」が組織を腐らせる理由

●理由1:責任が分散し、不具合が発生する

全員で意思決定をすると、「みんなで決めたから誰の責任でもない」という雰囲気が生まれます。

識学では、責任は常に「役割」に紐づくものと考え、「集合体」に紐づくことはありません。しかし、多数決や合意形成に依存すると、責任の輪郭がぼやけてしまいます。

結果として、(1)精度の低い意思決定、(2)実行フェーズでの曖昧さ、(3)失敗時の責任回避が連鎖します。

●理由2:部下の意見に引きずられ、上司の判断が鈍る

上司は本来「決める人」です。しかし、「みんなの意見を聞こう」と最初に宣言すると、部下の機嫌を損ねないように、あるいは反対しにくい場を作らないようにと、判断がブレていきます。

識学の組織論では「距離」が重要視されます。

上司が部下と近くなりすぎると、(1)情報と感情が混ざる、(2)客観性が失われる、(3)決断力が低下するといった弊害が生まれます。

このように、「全員で決める」は、この距離を最も破壊する行為と言えます。

●理由3:意思決定スピードが致命的に落ちる

合議制が進むと、圧倒的に遅くなります。ビジネスの環境変化は速く、判断の遅さは即ち競争力の低下です。

識学の価値観では、「正しい意思決定」よりも、まず「早い意思決定」が重視されます。なぜなら、誤りは修正できるが、遅れは取り戻せないからです。

会議は「決める場」ではない!

識学での定義は明確です。会議の目的はただ一つ、上司が意思決定するための材料を揃えること。

つまり、会議の形は以下のようになります。
・決断するのは上司
・説明するのは担当者
・情報を出すのは必要メンバー
・意見は上司の判断が必要なものに限定される

これにより、
・会議が短くなる
・ 話が脱線しない
・不必要な人を呼ばずに済む
・上司の判断が明確になる
といった効果が生まれます。

「正しい会議」を作るための3つの設計

識学的な会議は、1.参加者、2.時間、3.アジェンダの3要素が決定的に重要です。

1.【参加者】呼ぶべき人は徹底的に絞る

会議の生産性を最も下げるのは「参加者の多さ」です。

識学の視点では、会議参加者は次の2種類に限定されます。

A:上司(決める人)
B:担当者(報告する人・情報を持つ人)

それ以外は基本的に不要です。

「関連部署だから」「一応関係あるから」という曖昧な理由で呼ぶと、会議は簡単に機能不全になります。参加者は最小限にする、この原則が守られた瞬間、会議は半分の時間で終わります。

2.【時間】会議時間は「目的から逆算して」短く設定する

識学で重視されるのは、「枠」の強制力です。制限があるほど、人は集中し、発言が簡潔になり、議論も深まります。

推奨は、30分以内

長い会議は生産性が低いだけでなく、人材評価にも悪影響が出ます。

・時間を守れない会議=マネジメントが機能していない
・引き延ばされている時点で、責任と役割の整理が曖昧
という識学の基本原則に反します。

3.【アジェンダ】議題は「情報提供目的」でのみ設計する

会議のアジェンダ作成で最も避けるべき書き方は、
・どうするべきか議論する
・方向性を決める
・今後の方針について相談

これらは、すべて上司が決めていない状態を意味します。

識学では、アジェンダは次のように書くべきとしています。
・A案、B案のメリットとデメリット報告
・想定リスクと発生確率の提示
・コスト、予算見込みの情報提供
・想定スケジュールの報告

つまり、会議とはあくまで 上司が決断するための材料提示の場 であり、「決めるための議論をする場」ではないのです。

識学式・会議運営術(実行編)

ここからは現場でそのまま使える運営ステップです。

STEP1:冒頭で「決める人」を明言する

会議の最初に必ずこう宣言します。
「本日の決定は私が行います。皆さんには情報提供をお願いします」

この一言だけで場の空気が引き締まり、
・無駄な意見
・不毛な議論
・無責任な発言
が一気に減少します。

STEP2:報告は結論→理由の順で提示

担当者はまず結論を伝え、その背景となるデータだけを提示します。

NG:現状説明 → 問題共有 → 前置き → やっと結論
OK:結論 → 根拠データ → 想定リスク → 補足

識学で重要なのは「結論ファースト」です。

STEP3:意見ではなく“事実”だけを話す

「私はこう思います」は原則禁止。識学は事実主義です。

発言はすべて以下のどれかに分類されます。
・データ
・事実
・実績
・懸念点(事実ベース)

感情や推測が入った瞬間、会議はノイズに支配されます。

STEP4:上司は「決断」以外をしない

上司の仕事は明確です。
・何をするか
・いつまでにするか
・誰がやるか
この3点セットの決断だけを行うのが上司の役割。

逆に言えば、
・意見を聞かないと決められない
・場の空気で選択を変える
・時間がかかる
という状態は、上司の職責放棄にあたります。

STEP5:決めたら即、役割を明確化して会議を終える

最後に必ず次を宣言します。
・「A案で進める」
・「担当は◯◯さん」
・「期限は◯月◯日」

これにより、責任の所在が明確になり、会議後の混乱もなくなります。

識学流会議の最大のメリット

識学式の会議を導入すると、次のような変化が起こります。

・参加者が減り、会議の時間が半分以下になる
・決断が早いため、組織の実行力が劇的に上がる
・上司と部下の役割が明確になり、ストレスが減る
・成果に直結しない議論が消える
・現場の責任がクリアになり、仕事の質が上がる

何より、会議自体が「成果を生む場」へと変わります。

まとめ

この記事についてまとめます。

・会議は「決める場」ではなく「決める人のための情報提供の場」
・決めるのは上司、話すのは担当者、意見は最小限
・会議の質は参加者・時間・アジェンダで決まる
・意思決定は速さが最重要
・上司の明確な決断が組織のスピードを作る

識学の真価は、組織が迷わず・早く・責任を持って動く構造をつくることにあります。会議を変えれば組織は変わります。今日からぜひ一つずつ導入してみてください。

識学総研:https://souken.shikigaku.jp
株式会社識学:https://corp.shikigaku.jp/

 

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