2024年12月25日、QUICK資産運用研究所による調査「個人の資産形成に関する意識調査」で、新NISA(少額投資非課税制度)を利用している人は、全体の3割に上るという結果が報道された。同研究所は、日経平均を算出するほか、金融・経済情報サービスで知られている。新NISAの利用者のうち、その大半が運用益を確保しているという。
和哉さん(66歳)は「60歳の定年の日、妻から離婚を言い渡され、家も貯金もなくなり、ほぼ無一文になったけれど、今、資産は2000万円以上だ」という。
【これまでの経緯は前編で】
妻を体のいい家政婦と扱ったことで、多大な代償を払う
和哉さんは、新聞奨学生で苦学して大学を卒業し、大手機械製造関連会社に入る。営業担当として結果を残し、40歳で5歳下の妻と結婚し、60歳で定年する日まで、仕事三昧の毎日を送る。
「仕事以外のことは考えられなかった。妻は押しかけ女房ですが、僕のことが好きではなく、僕のもたらす安定が好きだったんだと思います。その代償に、彼女は炊事、洗濯、掃除、お金のことまで管理する。それが当たり前だと思っていました。つまり、同居する家政婦を雇っているようなもんだと思っていました」
そんな20年間を過ごしていたら、定年退職の日に「離婚してほしい」と言われた。妻は変わらぬ華やかな美貌を維持し、明るく若々しかったという。
「目が冴えざえとしていて、”きれいだな”と思いました。僕は安定を与えてやっていると思っていましたが、妻からすれば“結婚してあげた格下男”なんですよね。そんな僕が妻をぞんざいに扱うのだから、妻の不満はたまるばかりだった」
時折、妻は「私のことを愛してないの!」と泣くことがあったが、単なる癇癪だと思っていた。
「結婚して3年目に僕は部長になったんですが、妻が“私のおかげでしょ?”みたいなこと言ったのでカチンときて、“俺の詰んだ実績だ”と言ったことがあったんです。あのときから夫婦仲は一気に冷えた。妻からすれば、妻は献身しているのに感謝されない、という日々を20年間も過ごしていて、僕はそれに全く気づかなかった」
不満があったからか、妻の金使いは荒かった。ブランドものも買い漁っていた時期もあった。
「さらに、10歳年下の男もいたんです。でも全くわからなかった。離婚を言い渡されて、”金はどうなっているのか”と聞いたら、“すっからかんよ”という。それどころか300万円の借金もあった」
男に貢いでおり、美容にもお金をかけていた。和哉さんは退職金から借金を返済する。
「結婚と同時に購入したマンションも、住宅ローンを払い終わっていた。離婚となるときに、妻は“この家は私ものだ”という。さらに離婚した後の当面の生活費として、退職金の半分をよこせと。“なんでこんな女を妻にしたんだろう”と思いつつ、もうなんだかバカバカしくなって、くれてやりました。定年退職したタイミングで、仕事・金・家・妻を失ったんです」
【手元に残ったのは、500万円のみ……次のページに続きます】