以前であれば「結婚」は当人同士でなく、属する団体や家同士をつなぐ機会と捉えられていました。それ故、団体の中から順位をつけて招待客を決めていく風潮があり、現在でもご両親の中には「招待客の多さが家の格に直結する」という考えの方がいらっしゃるかもしれません。

最近では、会費制のウエディングパーティーのような「親しい人だけを招待する」挙式形式が増加傾向にあります。親世代の結婚式とは、内容や招待客に対する考え方も変化しているように見受けられます。

基本の結婚式準備は新郎新婦に任せるものですが、結婚式準備の一つである「招待客選び」については、親も積極的に関わりたい項目です。

本記事では、結婚式の招待客の決め方や呼ぶ人がいない場合の対処法をご紹介します。

目次
結婚式の招待客事情
ゲスト決定時のポイント
結婚式に呼ぶ人がいない場合
最後に

結婚式の招待客事情

結婚式の招待客は、年々減少傾向にあります。2017年の調査では、平均ゲスト数が70.2人だったのに対し、2023年の調査では平均ゲスト数は49.1人となりました。(参考:ゼクシィ結婚トレンド調査2023

結婚式のゲストを決める際、基本的に「結婚式に呼ばれた人は招待する」ことはマナーとされています。その中には新郎新婦と深い仲ではないけれど、仕事の関係者や親の知人など、付き合いで招待しなければならない人もいるでしょう。

結婚式は、来てくれるゲストにとって金銭的・時間的に負担がかかるものです。お互いのためにも、「これまでの信頼関係」と「これからもお付き合いをしたい人かどうか」を熟考してゲストを選別する必要があります。

ゲスト数には地域の特徴があらわれる

結婚式は地域の習慣や考え方が顕著にあらわれるものです。引き出物やご祝儀だけでなく、ゲストの人数にもそれは反映されます。

例えば、沖縄県の結婚式は多くのゲストを招くことで知られています。数百人規模の結婚式となることも珍しいことではありません。沖縄県の大規模な結婚式が行なわれる背景には、盛大な余興を好み、親戚が多く、気軽に知人を招待する沖縄の県民性が影響していると予想されます。

ゲスト決定時のポイント

2023年の調査では、ゲストを選んだ基準として「付き合いが長いこと」が56.9%、「親しくしていること」が51.1%、「招待しないと失礼にあたること」が39.9%、「周囲に勧められたこと」が10.7%という結果になりました。(参考:ゼクシィ結婚トレンド調査2023 報告書【首都圏】

このことから、近年のゲストを選ぶ基準は「新郎新婦と付き合いが深いか否か」を重視する方が増加傾向にあることが分かります。とはいえ、招待客全員が友人のみであるケースは少数派でしょう。両家のバランスや親族の選び方など、親の意見が求められる場面もあります。

ここでは、結婚式のゲストを決める際のポイントをご紹介します。

会場決定前に、大まかなゲストは決めておく

希望の結婚式のイメージを優先し、先に式場を決めてからゲストを決定する方もいらっしゃいますが、会場によっては収容人数に限りがあることもありますし、反対に少人数の結婚式は行なわれていない会場も存在します。

会場と契約後に招待客を決める流れでは、後から「招待したい人全員を呼べなかった」というような事態も起こり得ます。そうならないためにも、会場決定前に親子で話し合い、大まかにゲストを決めておくことが大切です。

両家のバランスは合わせる必要はあるのか?

ご両親の中には、「結婚式のゲスト数は両家で揃えないと見栄えが悪いのでは?」と心配される方も多いのではないでしょうか。ゲスト数に大差がある場合は、少ない側の家からすると引け目を感じるかもしれませんが、基本的には両家のゲスト数を揃える必要はありません。

支払い方法によっては、状況が異なるケースもあります。例えば、結婚式費用を両家で折半する場合は、ゲスト数に差があると少ない側の親は不満に思うかもしれません。その場合は、両家のゲストの数で費用を分ける支払い方法を採用するのが無難といえるでしょう。

両家のゲスト数に差があることを気にされる場合は、「席次のレイアウトを工夫する」「役職名を省略する」のような対処法で差を目立たせないようにすることも可能です。

親族ゲスト選びは親が積極的に関わる

基本的には、新郎新婦が中心となりゲスト選びを行ないますが、親族の招待客選びに関しては、親が積極的に関わるとスムーズです。

親族が多い場合、子どもだけでは「どこまで招待すべきなのか」と判断しかねることもあるでしょう。親族の中で暗黙のルールが存在することもありますし、付き合いの深さも家庭によって異なります。

とはいえ、親が子どもの許可なく先走って招待するのは考えもの。親子のコミュニケーション不足で話が進んでしまうと、後で人数変更が生じて結婚式準備に影響が出ることもありますので、注意が必要です。

結婚式に呼ぶ人がいない場合

人によっては、結婚式を挙げたいけれど「招待するほど関係の深い友人がいない」「遠方での挙式のため、来てくれる人が少ないかもしれない」などの理由から、式に招待する人がいないこともあるでしょう。

友人の中でも学生の頃は親しかったけれど、就職や引っ越しを機に疎遠になることもあります。転職したてのため、「付き合いの浅い職場の人を結婚式に招待するのは気が引ける」というようなケースもあるかもしれません。しばらく連絡がなかったのに、いきなり招待状が届けば相手は驚いてしまいます。

このように普段から付き合いがない人を式に招待すると、「数合わせに呼ばれた」と相手にマイナスの印象を与える可能性があるため、むやみやたらに招待するのは避けたいものです。

ここでは、結婚式に招待する人がいない場合の対処法をご紹介します。

結婚式の規模を考え直す

結婚式は「必ず大勢のゲストから祝福を受けるべき」というわけではありません。ゲスト数が見込めない場合は、ゲストが必要ない挙式形式を検討されてみてはいかがでしょうか。例えば「新郎新婦のみ」や「両家の両親のみを招待」、ゲストは親族のみの「少人数婚」などの形式があります。

新郎新婦のみの結婚式であれば、ゲストに気を遣うことなく、海外など遠方での挙式が可能です。結婚する当人のみだからこそ、引き出物や演出などに気を揉むことなく、儀式に集中できるメリットがあります。

新郎新婦に加えて、両家の両親を招待し6人で執り行なわれる結婚式も存在します。中には「相手の家と折り合いが悪い」「相手の親のみ結婚に反対している」などの理由から、新郎新婦と片方の両親のみで結婚式を行なうケースもあります。

親族のみを招待する結婚式は、気心の知れた親族に囲まれてアットホームな結婚式が叶うでしょう。ゲスト同士の距離が近いので、通常よりも親族の紹介に時間を割くことができます。ゲストが親族のみの結婚式は、主賓や友人に遠慮することなく、両家が交流する機会となるでしょう。

「ゲストがいない結婚式は寂しい」と感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、今や「少人数婚」は定番となりつつある挙式形式で、珍しいことではありません。

結婚式の代行サービスの利用

結婚式の代行サービスとは、業者に知人のふりをして結婚式に出席してもらうサービスのことです。年代や服装の雰囲気、知人としての設定までリクエストできる会社も存在します。

ほとんどの人は、利用する際に躊躇されるかもしれません。最終的には新郎新婦が判断をくだしますが 、どうしてもゲストの少なさが気になる場合は、思い切って依頼するのも一つの方法です。

最後に

結婚式の招待客選びは、今後のお付き合いに関わる重要な項目です。新郎新婦の希望する結婚式のイメージを尊重しつつ、招待客に失礼のないよう、親も招待客リストの確認や助言をする必要があります。

監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/

構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
https://kyotomedialine.com FB

 

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