近年では、妊婦の結婚式は一般的になりつつあり、「マタニティウエディング」や「授かり婚」とも呼ばれています。結婚式場によっては「マタニティプラン」があるところもあり、妊婦での結婚式は珍しいものではないといえるでしょう。

親として、妊婦での結婚式は不安に思うことがあるかもしれません。しかし、それは子どもたちも同じではないでしょうか? 親が妊婦での結婚式事情を事前に理解しておくことで、新郎新婦をサポートできることもあるでしょう。

本記事では、妊婦での結婚式となった際の、おすすめの結婚式スタイルや注意点をご紹介します。

目次
妊婦での披露宴とは
妊婦におすすめの結婚式スタイル
妊婦での披露宴での注意点
披露宴での妊娠報告はゲストの顔ぶれ次第
最後に

妊婦での披露宴とは

前段で述べたように、親世代の頃は「妊婦での結婚式」に否定的な人が多く、式や披露宴は控えることもあったようです。しかし、今は、「結婚する夫婦の約2割」が妊娠を機に結婚しています(参考:「令和3年度 人口動態統計調査特殊報告 出生に関する統計」厚生労働省)。そうした点からも、妊婦での結婚式は、「新たな結婚式の形の一つ」として定着しつつあります。

妊婦での結婚式には、大きく分けると2つのパターンがあります。

1:おめでた婚

「おめでた婚」とは、「妊娠したことを機に結婚すること」を表現する言葉です。「できちゃった婚」は辞書にも掲載されていますが、「おめでた婚」や「授かり婚」と表現するほうが前向きな印象があるでしょう。

2:結婚式準備中の妊娠

こちらは、結婚式準備を進めている途中、妊娠が発覚することもあります。出産予定日によっては、式の日時の変更が必要な場合もあるでしょう。

いずれの場合でも、親は妊婦の体調と精神面を気遣うことが大切です。新郎新婦が結婚式に前向きに向き合えるよう、親がサポートすることで、親子関係も良好なものになるでしょう。

妊婦におすすめの結婚式スタイル

結婚式の話が具体化してくると、ゲストや費用など、妊娠以外の悩みが出てくるものです。妊婦での結婚式は、適切な開催時期や、ゲストの規模を見極めることが大切になります。

個人差はありますが、妊娠期間はつわりなどで、自分が思うように動けない状況が多いものです。このことを考慮して、妊婦での結婚式は、

・全体的な準備負担が少ない「少人数婚」
・限られたゲストだけでの簡易的な「食事会」

がおすすめです。ここでは、それぞれの式のスタイルの特徴をご紹介します。

少人数婚

少人数婚に厳密な定義はありませんが、一般的に「ゲスト30人未満程の規模」の結婚式を指します。従来の披露宴より演出も少なく、歓談メインであることが多いので、親も挨拶や立ち回りに気を揉むこともなく楽しめるでしょう。新郎新婦とゲストとの距離が近く、アットホームな雰囲気が少人数婚の魅力です。

食事会

少人数婚よりさらに簡略化するなら、家族やごく親しい友人だけを招いての食事会がおすすめです。多少結婚式の雰囲気を出すために、フォーマルな衣装や料理にはこだわっても、進行や演出は盛りこまないケースが多いようです。

万が一、当日新婦の体調が優れなくても、自分たちのペースで臨機応変に対応できるのもメリットの一つでしょう。 

妊婦での披露宴の注意点

妊婦での結婚式が一般的になりつつあるとはいえ、当日は予想外の事態が起こる可能性もあります。結婚式を挙げることが決まれば、何としてもやり遂げたい気持ちになるでしょうが、無理は禁物です。

近年の結婚式準備は、新郎新婦が主体的に進めるとはいえ、親も事前に注意点を把握していると安心です。ここでは、妊婦での結婚式・披露宴での注意点をご紹介します。

開催時期

一般的には、妊娠中期の「5~7か月」はつわりが落ち着く頃で、体調が安定してくる傾向にあるとされています。この時期が安定期といわれていることから、結婚式を行なう場合、この時期を目安に準備を進める方が多い印象です。

妊娠初期はまだ体調が不安定で、後期になるとお腹が大きくなり、長時間動き回るのは難しいこともあります。事情があって、初期や後期に結婚式を行なう場合、準備期間が比較的短く済むようにするなど、新婦に負担のかからない手段を選びましょう。

衣装のサイズは余裕をもって

店舗にもよりますが、安定期のお腹の大きさであれば、妊婦でも着用できる衣装が多数用意されているところも多いものです。和装でも、種類や着付け方によっては、お腹に負担をかけないようにすることもできます。

衣装を決定する時期は、挙式日より2~3か月前が一般的です。その時に、本番の時期のお腹の大きさを想定して、多少サイズに余裕を持たせることをおすすめします。

また、妊娠中は体型の変化だけでなく、体の重心も変化するものです。ハイヒールは転倒の可能性があるので避け、フラットなシューズで代用しましょう。

無理な予定は立てない

個人差はありますが、一日の内で、妊婦が元気に動き続けられる時間には限りがあります。結婚式は、式と披露宴だけではありません。多くの場合、支度からリハーサル、撮影や撤収までは半日以上時間がかかるものです。

披露宴で演出を盛りこみすぎると、新婦の体力が持たないかもしれません。無理なスケジュールは立てないよう、気を付けましょう。

披露宴での妊娠報告はゲストの顔ぶれ次第

妊婦での披露宴では、ゲストに妊娠を発表するか否かは、新郎新婦の意向によります。お腹が目立たない場合、あえて報告しないのも一つの方法です。

報告する際、大抵は「嬉しいサプライズ」として、好意的に受け取られるでしょう。しかし、披露宴での妊娠報告は、ゲストの顔ぶれによっては配慮が必要なこともあります。

ここでは、ゲストの顔ぶれごとに、報告時の注意点をご紹介します。

親族・年配のゲストが多い場合

ゲストの大部分が親族や年配のゲストである場合、事前に親子で

・披露宴で妊娠報告すべきか
・事前に妊娠を知らせるべき親族や年配ゲストは誰か

を相談しておきましょう。

親族や年配のゲストの中には、「結婚式前の妊娠」を良く思わない方がいる可能性があります。「喜んでもらえるだろう」と行なったサプライズ妊娠報告が、後からトラブルになっては、結婚式が悲しい思い出となってしまいます。

披露宴で妊娠報告を行なう場合、事前に知らせるべき親族や年配のゲストは親子で共有し、押さえておきたいものです。

不妊で悩んでる友人がいる場合

ゲストの中には、妊活を頑張っていても、なかなか実を結ばない方がいるかもしれません。特別な関係であれば、新郎(新婦)に不妊を打ち明けてくれるでしょうが、デリケートな問題なので公表しない方もいらっしゃるでしょう。

不妊や流産を経験した友人がゲストにいる場合、結婚式での大々的な妊娠報告は、相手を傷つけてしまうかもしれません。表面上は祝福してくれるでしょうが、ゲストを悲しくさせてしまう可能性もあります。

事前に友人が妊活中であることを把握している場合は、妊娠報告は控えるか、報告方法をよく考える必要があるでしょう。

最後に

親御さんの中には、「妊婦での結婚式」を好意的に捉えらない方がいらっしゃるかもしれません。しかし、今は様々な家族の形があります。親が妊婦での結婚式を「おめでたいことが重なった!」と前向きに捉えることができれば、円満な結婚式を迎えられるでしょう。

監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/

構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
https://kyotomedialine.com FB

 

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