近年、「人前式」という挙式形式を採用する夫婦が増えています。これを読んでくださっている方の中でも、一度は、人前式に出席した経験のある方がいらっしゃるのではないでしょうか?

一口に人前式といっても、その形はさまざまです。会場が一体化し、温かい雰囲気に包まれたものもあれば、いまいち感情移入できない人前式もあったかもしれません。人前式は自由に作りあげるものだからこそ、内容によっては「いまいちだったな」という印象を与える可能性があります。

子どもたちが主体となる結婚式準備において、気持ちよく見守るためにも、人前式の流れや親の役割、失敗しない方法を知っておくと安心でしょう。

本記事では、人前式の流れや親の役割、失敗しない方法をご紹介します。

目次
そもそも人前式とは?
人前式の流れ
人前式での親の役割
人前式で失敗しないために
最後に

そもそも人前式とは?

人前式とは、宗教色がなく、ゲストに結婚を誓う結婚式のこと。自由に演出を取り込めるので、新郎新婦に人気があります。洋装が多いイメージですが、和装でも挙式可能です。

人前式が行なわれる会場は、一般的な結婚式会場のチャペルやガーデンになります。より個性的な式にしたい場合は、レストランや公園、船上などで行なわれることも珍しくありません。

日本において結婚式といえば、「教会式」「仏前式」「神前式」「人前式」の4種類が一般的です。その中でも、人前式は「特にゲストとの交流が楽しめる式」といえます。

一般的な結婚式は、「厳かな儀式」として緊張感が漂うものです。一方で人前式は、比較的カジュアルな雰囲気の中進行していきます。とはいえ、あまりにもくだけすぎた演出は、ゲストを不快にさせることもあるので注意が必要です。

人前式が増加している背景

近年、結婚式においてゲストとのふれあいを重視するカップルが増えているため、人前式の人気が高まっています。

人前式が増加している背景として、結婚式を挙げる夫婦は、式を単なる「お披露目の場」ではなく「感謝を伝える場」として捉えている方が増えていることが考えられます。実際、2023年に結婚式を挙げた方の中で「親・親族に感謝の気持ちを伝えるため」を目的とした夫婦は75.5%、「親・親戚以外の友人などに感謝を伝えるため」は54.7%でした。(参考:ゼクシィ結婚トレンド調査2023

このことから、ゲストとともに作りあげる人前式の人気が高まってきているのは、自然な流れといえます。結婚式の中で交流する機会が多いことは、ゲストの満足度にも繋がるでしょう。

人前式の流れ

人前式は、それぞれの項目で新郎新婦らしさを表現するポイントが複数存在するので、個性を反映させる見せ場といえるでしょう。

ここでは、人前式の流れをご紹介します。

入場

はじめにゲストが着席し、その後新郎新婦が入場します。定番の結婚式では、先に新郎が一人で入場し、その後、新婦が父親と共に入場するのが一般的です。しかし、人前式では、入場のスタイルを自由にアレンジすることができます。

例えば、新婦のみならず新郎も両親と入場したり、親子で手を繋ぎながらの入場も可能です。入場シーンで場がなごめば、会場の緊張がやわらぐでしょう。

挨拶

司会者が結婚式の開始を宣言します。人前式の司会者は、友人に依頼することも可能です。しかし、よほど慣れていないと、まとまりのない式になりかねません。司会者は雰囲気を左右する重要な役割を担うので、なるべく場慣れしているプロに任せましょう。

誓いの言葉

誓いの言葉は、新郎新婦らしさが一番表現できる場面かもしれません。ゲストに協力を仰いだり、さまざまな方法があります。例えば、

・事前に指名されたゲストが誓いの言葉を考える
・ゲストからの問いかけ形式

というような演出です。親が指名されるケースも多く見受けられます。

一般的な誓いの言葉をそのまま使用しても問題ありませんが、ユーモアを交えたり、自分たちの言葉で結婚の誓いをたてるのも人前式ならではといえるでしょう。

指輪交換

指輪交換をゲスト参加型にする一つの方法として「リングリレー」があります。リングリレーとは、ゲストに長いリボンを持っていただき、そこに指輪を通し、リレー方式で新郎新婦の元まで運んでいくもの。ゲストに一体感が生まれ、和気あいあいとした雰囲気になるでしょう。

結婚誓約書

人前式では、ゲストからのメッセージや指でスタンプをいただくなど「ゲストとともに完成させる誓約書」を用いる方が多い印象です。ゲストが協力して作りあげる結婚誓約書は、「ゲストに見守られて、この日を迎えられた感謝」を伝える意図があります。

結婚の承認

ゲストの拍手を承認とするのが一般的ですが、事前に渡しておいたクラッカーやベルなどのアイテムを使用してもらう演出もあります。

終わりの挨拶

司会者から閉会の挨拶と、結婚の証人となったゲストへの感謝の言葉が述べられます。

退場

すべてが終わり、新郎新婦の退場です。ゲストにトンネルを作ってもらい賑やかに退場したり、フラワーシャワーで退場することもあります。

親が知っておくべき人前式のポイント

ここでは、人前式での親の事前準備や式当日の知っておきたいポイントをご紹介します。

事前準備

人前式に不慣れな世代のゲストにとっては、人前式の自由さに違和感を感じるかもしれません。格にこだわる方や年配のゲストが親族にいる場合は、式までに親から「人前式であること」を説明しておくといいでしょう。

事前に子どもたちから式の概要を聞いておき、ゲストに伝えておくことで、ゲストも心の準備ができます。

当日の役割

結婚式当日の親の役割は、主催者側の人間としてゲストをもてなすことです。人前式は、ゲストが役割を担う場面も多いので、親からもお礼を伝えておくと丁寧でしょう。

その他に、おもてなしの一つとして「親からゲストへの挨拶回り」があります。人前式の中には、会費制を採用しているケースがありますが、その場合は親もゲストとして扱われるため、挨拶回りはなくても問題ありません。

とはいえ、結婚式は、普段子どもがお世話になっている方に直接会える貴重な機会です。個人的に挨拶したい場合は、積極的に挨拶回りにいきましょう。

人前式で失敗しないために

人前式は自由度が高い故に、新郎新婦のセンスが問われる場でもあります。「きっとゲストに楽しんでいただける」と意気込んでいても、空回りしてしまえばお互い残念な思い出になりかねません。

ここでは、人前式で失敗しないための注意点をご紹介します。

ゲストとの温度差に注意

人前式では、少しくだけた演出を考える新郎新婦も多いでしょう。しかし、新郎新婦とゲストの関係性によっては、温度差を生むことになるかもしれません。

例えば、友人であれば温かく見守れる内容でも、 親しい人やご年配のゲストが多い結婚式の場合は「内輪だけの盛り上がり」だと捉えられることもあります。そうなれば、会場が微妙な空気になりかねません。

ユニークな人前式を希望する場合は、ゲストは

・ほとんどが親しい人
・自由な雰囲気を受け止めてくれそうな人

であることが前提といえるでしょう。

個性を出したいなら特化した会社に頼る

式場によっては、教会式や神前式をメインに扱い、人前式の経験が浅いこともあります。その場合、新郎新婦が自分たちで企画する場面が必要になるかもしれません。「堅苦しいのは苦手」というあまり、独自でカジュアルに走りすぎると、まとまりのない内容になりかねません。だらしない進行になると、結婚式ならではの感動も薄くなるでしょう。

一からすべてを作り出していくのは、楽しい反面とても大変なことです。個性的な結婚式を目指すなら、そういうことに特化したプロデュース会社に依頼するのも一つの方法です。人前式の経験豊富なプロならではの意見を取れ入れることで、皆が満足できる式になるでしょう。

最後に

親子にとって結婚式は、人生の節目となる大切な行事です。自由な演出を楽しみつつも、メリハリをつけて、心に残る人前式にしたいですね。

監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/

構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
https://kyotomedialine.com FB

 

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