自分で不動産の相続登記をするとなった時、どのような書類が必要となるのでしょうか? また、どのように書類を入手したら良いのでしょうか? 自分で手続きするか、専門家に依頼するかを判断するためにも把握しておきたいところです。そこで今回は、相続登記の必要書類や手続きの流れについて解説いたします。

100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。

目次
相続登記の必要書類は?
必要書類の入手先
手続きの流れ
まとめ

相続登記の必要書類は?

相続登記をするにあたって必要となる書類のなかでも、特に主要なものについてそれぞれ解説していきます。

・被相続人(亡くなった人)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

「戸籍謄本」は、相続が発生したこと、および相続人にあたるのが誰なのかを証明するために必要な書類です。被相続人の出生から死亡までの、連続したものを用意する必要があります。

被相続人の住民票の除票

「被相続人の住民票の除票」は、戸籍等に記録されている被相続人と、相続登記の対象となる不動産の所有者が同一であることを証明するための書類です。被相続人の死亡時の住所と登記されている住所が違っている場合は、前の住所地で記録されている「住民票の除票」、または「戸籍の除附票」を取得して、住所が移転したことを証明する必要があります。

・相続人(相続する人)全員の戸籍謄本

「相続人全員の戸籍謄本」は、相続発生時に相続人が生きていることを証明するために用意する書類です。相続人の場合は、現在の戸籍だけでかまいません。

・遺産分割協議書および相続人全員の印鑑証明書

遺産分割協議によって、相続の内容を決めた場合の証明する書類として「遺産分割協議書」が必要です。相続人全員の「印鑑証明書」を添えて提出します。ただし、遺言書がある場合は遺言書の内容が優先されるため、遺産分割協議書は不要となります。

・相続関係説明図

「相続関係説明図」は、被相続人とそれぞれの相続人の相続関係を説明するための図です。相続関係説明図を申請時に提出すると、後で戸籍謄本の原本を返却してもらうことができます。

・固定資産評価証明書

「固定資産評価証明書」は、相続登記を行なう際に「登録免許税」という税金の税額を算出するために、「不動産の固定資産評価額」を示す書類です。提出する証明書は、最新年度のものでなければなりません。

・相続登記申請書

「相続登記申請書」は、相続登記の申請のための書類です。相続登記申請書を作成する際には、不動産の正確な地番や家屋番号を記入しなければなりません。その確認のために「登記事項証明書」が必要となりますが、登記事項証明書自体は提出する必要はありません。

必要書類の入手先

必要書類の入手先について一覧表にまとめました。

<図表1>必要書類の入手先

(株式会社SMILELIFE projectにて作成)

被相続人や相続人の本籍地や住民票のある市区町村などが、すべて異なる場合は必要書類分の市区町村役場に行かなければならないケースが考えられます。しかし、郵送でも申請ができることや、最近ではマイナンバーカードを使用して、コンビニエンスストアの端末機で戸籍謄本や住民票を取得できる自治体も増えており、全国どこからでも取得することが可能となってきています。

しかしながら、被相続人が転籍(本籍を移すこと)を繰り返していた場合など、必要な書類を漏れなく準備することに相当な時間と労力をかけなければならないケースもあります。自分で準備することが困難な場合は、司法書士などの専門家に依頼すると良いでしょう。

手続きの流れ

相続登記の手続の流れは以下のとおりです。

1.相続不動産を調査する

亡くなった被相続人が、所有している不動産の権利関係を調査します。相続の対象になるのは、亡くなった人の持ち分だけなので、正しい状態を把握することが重要です。毎年送付される固定資産納税通知書から、被相続人がどのような不動産を持っているのかを確認し、不動産の登記簿謄本を取得して詳細を確認しましょう。

2.相続人を確定する

相続人は思いがけない人も、相続人として浮上してくることもありますので、正確に把握するために戸籍等を利用して確定していくことになります。

3.不動産の相続人を決める

相続人が確定したら、不動産の相続人を決めます。遺言書があれば遺言書の内容が優先されますが、遺言書がない場合は遺産分割協議で遺産の分け方を話し合います。遺産分割協議は相続人全員の合意が必要です。話し合いの結果、合意した内容は遺産分割協議書にまとめ、相続人全員が署名し押印します。

4.書類の準備

相続登記に必要な書類を準備します。必要な書類は、前述のとおりです。

5.登記申請書を作成する

法務局のホームページからダウンロードした登記申請書に必要事項を記入し作成します。

6.法務局に申請と登録免許税の支払

不動産の所在地を管轄する法務局で、相続登記を申請します。相続登記の申請の際、登録免許税の支払をします。法務局の別の窓口でその分の収入印紙を購入し、登記申請書に貼り付けて提出します。

登記が完了したら登記識別情報の通知や登記完了証が発行されるので、大切に保管しておきましょう。

まとめ

相続登記は対象の不動産の数や相続人の人数などによって、手続きに必要な書類の枚数や取得するための時間や労力に差がでてきます。よりスムーズな手続きをするためにも、相続が起きる前にあらかじめ家族で話し合っておくことが大切です。

●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)

株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)

株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com

●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB

 

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