結婚式での写真撮影は、ほとんどの方はプロカメラマンに依頼します。しかし、「プロが撮影するのだから、どれも素敵に違いない」と思い、いざ写真を見返すと「家族がいるのは、集合写真だけしかない」というような、残念なケースは意外に多いようです。

親としては、子どもとの大切な思い出はしっかり残しておきたいもの。現に、インターネット上の結婚式の相談サイトでは、家族との写真が少ないことを後悔する書き込みは、一つや二つではありません。

結婚式は、人生の大きな節目。親も「ゲストを差し置き、家族が前に出すぎるのはちょっと……」と遠慮せず、積極的に子どもとの記念撮影を楽しみましょう。

親として、あらかじめ式と披露宴での「撮影のタイミング」を把握しておくことで、撮影の心構えができます。本記事では、親と子どもが結婚式当日に撮影できるタイミングをご紹介します。

目次
式と披露宴での家族写真とは?
式で家族と撮影するタイミング
披露宴で家族と撮影するタイミング
結婚式の家族写真で大切なこと
最後に

式と披露宴での家族写真とは?

「結婚式の家族写真」と聞くと、新郎新婦と親族が並んだ「定番の親族集合写真」をイメージされる方も多いのではないでしょうか? しかし、家族写真は必ずしも堅いものである必要はありません。好きなポーズを取ることで、家族の仲の良さを表現できる素敵な写真撮影が期待できます。

しかし、実際に結婚式が始まると、主催者側の人間である家族はゲストに遠慮し、なかなか新郎新婦と共にいる機会はありません。無事に結婚式を終え、届いた写真データを見返し、そこで初めて家族との写真の少なさに気付き、がっかりすることも……。 

近年は、親族のみが参加する「少人数ウエディング」が増加傾向です。このような少人数婚の場合でも「親とツーショットが撮りたい」など、具体的な希望をカメラマンに伝えなければ、撮らずにお開きとなることも珍しいことではありません。

後から家族写真で後悔しないためにも、子どもと「結婚式当日の撮影できるタイミング」を事前に共有しておくと、安心です。

式で家族と撮影するタイミング

一般的な結婚式であれば、所要時間はおよそ30分程度。その30分間の本番のみならず、挙式前に家族だけで撮影できる時間を確保している会場が多い印象です。

ここでは、おすすめの結婚式前後の撮影できるタイミングをご紹介します。

支度室

挙式が始まる前の支度室なら、周りの目を気にすることなく、リラックスして撮影に臨めそうです。

一般的な支度室の撮影といえば、ヘアメイクスタッフが口紅を塗ったり、洋装であればベールを付けているシーンになります。ヘアメイクスタッフの代わりを母親に努めてもらい、その様子を撮影してもらうのも特別感があり、おすすめです。

挙式リハーサル

挙式前のリハーサルは、新郎新婦や家族も本番ほど緊張していないため、比較的和やかな雰囲気です。

ゲストがいないので、カメラマンも様々な角度から撮影することができます。本番の挙式では撮れない、くだけた姿を残すことも可能です。リハーサルでは、親とそれぞれの子どもたちとのツーショットなど、周りに気を遣うことなく撮影してもらいましょう。

入場

近年の一般的なチャペルでの結婚式は、両親と子どもが同時に入場するケースが多く見受けられます。腕を組んで入場したり、そのスタイルも様々です。家族三人での入場シーンは、ほっこりする写真が撮影できるでしょう。

また、入場の際に演出を取り入れる方もいます。子どもが新婦である場合、洋装であれば母親がベールダウンする演出。和装であれば「筥迫(はこせこ)の儀」と呼ばれる和装小物を胸元に差し入れる演出が人気です。

子どもが新郎の場合、母親が新郎に上着を着せてあげる「ジャケットセレモニー」と呼ばれる演出を取り入れる方もいらっしゃいます。

それぞれの演出が、「結婚前の最後の身支度」の意味があるものなので、感動的な撮影ができそうです。

披露宴で家族と撮影するタイミング

一般的な披露宴では、家族のテーブルは、新郎新婦から一番遠い場所に配置されます。高砂(たかさご)には、新郎新婦の友人たちがひっきりなしに訪れるので、家族が一緒に撮影するタイミングはなかなかありません。

その代わり、披露宴には「家族との絆を深めるプログラム」がいくつか組み込まれています。プログラムなら時間がきちんと確保されているので、安心してそのタイミングで撮影を楽しめそうです。

ここでは、披露宴で家族と撮影できるタイミングをご紹介します。

サンクスバイト

新郎新婦が互いにケーキを食べさせあう「ファーストバイト」は、披露宴定番の演出です。最近ではそれに代わり、家族や友人に感謝を伝える「サンクスバイト」という演出も増えています。

サンクスバイトとは、新郎新婦からそれぞれの家族(親の場合が多い)や友人にケーキを食べさせるもの。「今まで見守ってくれてありがとう」という意味があり、見ているゲストも心温まる素敵な演出です。

サンクスバイトがある場合、結婚式ならではの、家族との貴重な場面が撮影できます。

中座

披露宴での中座とは、「お色直しの退場」を意味する言葉です。多くの会場では、中座で一時退場した後に、エスコート役と記念撮影ができます。

エスコート役は兄弟姉妹、祖父母が選ばれることが多い印象です。支度室に戻るまでに、外観や入口など撮影ポイントで何カットか撮影します。退場するシーンからカメラ目線のきちんとしたものまで、当日の感動が伝わりそうな写真が期待できそうです。

フォトラウンド

フォトラウンドとは、新郎新婦が各テーブルを回り、ゲストと写真を撮るプログラムの一つです。ほとんどは、お色直し入場後に行なわれます。

わずかではありますが、それぞれのテーブルに撮影時間が確保されているので、家族もゲストに遠慮することなく楽しめるでしょう。  

親への記念品贈呈

一般的な披露宴では、披露宴の終盤に「両親への記念品贈呈」の演出があります。その際、花嫁の手紙が朗読されることもあれば、手紙を渡すだけのパターンも。

新郎新婦から両親へ、花束などの記念品贈呈シーンは、カメラマンにとっても重要な撮影ポイント。親子で抱き合うシーンや、その時の会場の空気感が撮影できると、臨場感あふれる写真になりそうです。

お開き後

ゲスト全員をお見送りした後なら、家族の緊張も解けて、リラックスした表情の写真が残せるでしょう。家族以外にも一緒に撮影したい人がいる場合、最後まで残ってもらえるか、あらかじめか確認しておくと親切です。

両家の家族全員での写真撮影もおすすめ。結婚したとはいえ、今後両家の家族が揃う機会は滅多にありません。お互いの家族で結婚式を労いあい、撮影して記念に残すことで、両家の思い出になるでしょう。

結婚式の家族写真で大切なこと

過去に、式からしばらくして「家族との写真がほとんどなかったので、もう一度挙式して撮り直したい」とクレームを入れてきた方がいらっしゃいました。結果、さまざまな事情が重なり実現は叶いませんでしたが、式場側もその方も不完全燃焼となった出来事でした。

「家族との写真は、カメラマンがたくさん撮ってくれると思っていた。気を利かせてくれればよかったのに!」という意見をインターネット上で見かけることもあります。 確かに一理ありますが、家族との写真撮影は、決められたプログラムではありません。

カメラマンによって、写真の価値観やセンスは人それぞれ。後から親との写真が少なかったと後悔しないためにも、あらかじめプランナーやカメラマンに要望を伝えておくことが大切です。

最後に

普段から、積極的に家族でコミュニケーションを取らない方の場合、「子どもとの撮影は恥ずかしい」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、結婚式にはそこでしか撮れない大切な瞬間があります。感動で心が動いた時や、日頃から抱いている家族への感謝など、素敵な撮影ができるはずです。後悔のないよう、子どもの晴れ舞台での思い出を残しておきましょう。

監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/

構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
https://kyotomedialine.com FB

 

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