結婚に関して世間体を気にする風潮が強かった頃は、一般的には「結婚してから妊娠」という順序が「常識的」だと捉えられていました。しかし、最近では子どもを授かってから結婚のステップに進む「おめでた婚」への理解も深まっています。
しかし、親としては多様性が認められつつある今の時代でも、子どもから「おめでた婚」の報告を受けたら戸惑ってしまうこともあるかもしれません。どんな時でも、子どもたちが結婚に納得していて覚悟があるのかどうか、親としてはきちんと見極めることが大切です。
本記事では、「おめでた婚」にふさわしい挙式時期や注意点などをご紹介します。
目次
おめでた婚とは?
おめでた婚の結婚式にふさわしい時期
出産後に挙式することも
おめでた婚の挙式時の注意点
最後に
おめでた婚とは?
「おめでた婚」は、妊娠をきっかけに結婚すること。少し前までは、「できちゃった結婚」とも呼ばれていました。
しかし、「できちゃった」という言葉では、人によっては「子どもができたから仕方なく結婚する」というマイナスのニュアンスに捉えられる可能性もあります。現代の言い方としては、「授かり婚」や「おめでた婚」というような呼び方をする人が多いでしょう。
「おめでた婚」という呼び方には、新たな命を授かったことを前向きに捉えている印象があります。結婚する二人が「交際中から真剣に将来を考えていて、その最中に子どもができた」という意味合いが強いイメージです。
親としては、夫婦となる二人が「しょうがなく結婚する」のではなく、「この人と結婚したい」とお互いが心から思い合っているかどうかを見極めることが大切になります。
「おめでた婚」の英名は、「ショットガンウエディング」
「おめでた婚」は日本に限らず、世界中にある結婚のスタイル。英語では「ショットガンウェディング 」や「ショットガンマリッジ」 と呼ばれているようです。
「ショットガンウエディング」の言葉の由来は、18世紀から19世紀頃のアメリカのお話です。とある未婚の妊婦の父親が、相手の男性に銃を突きつけながら、自分の娘と結婚することを求めたことが由来ではないかとされています。
おめでた婚の結婚式にふさわしい時期
結婚の話が現実味を帯びてくると、子どもたちは新たな命を授かり嬉しい反面、現実問題として心や体、金銭的な負担など新たな悩みも出てくるでしょう。元々、結婚式をしたいと考えていた方にとっては、結婚式をする時期や妊娠中の体形の変化など、色々と考慮する必要があります。
しかし、おめでた婚だからと言って結婚式を諦める必要は、まったくありません。後で「おめでた婚だったから何もできなかった」と後悔しないためにも、やりたいことは可能な限りやっておきましょう。
ここでは、おめでた婚の結婚式を行なう場合の妊娠時期別のポイントをご紹介します。
妊娠初期
妊娠初期である妊娠1~4か月は、お腹のふくらみもほとんど見られません。それ故、女性の衣装選びの制限はほぼないと言えます。
しかし、この時期は人によってはつわりが酷く、何もできないほど体調が悪化する可能性もあります。赤ちゃんにも何が起こるか分かりません。この時期に無理しすぎると、取り返しのつかない事態に発展する恐れも。衣装のこだわりやよほどの事情がない限り、妊娠初期に結婚式を行なうのは避けたほうがいいかもしれません。
妊娠中期
妊娠中期である5~7か月は、一般的には安定期に入ったとされている時期です。その時期は、比較的つわりが落ち着き、体調も安定してくる人が多いとされています。
この時期は、お腹のふくらみもそこまで大きいものではないので、ドレスの選択肢も多いようです。和装の場合、着付け方や着物の種類によっては、お腹が目立たないよう見せることも可能でしょう。
結婚式を行なう場合、この安定期の時期が「一番理想的」とされてます。
妊娠後期
妊娠8~10か月頃の妊娠後期になると、ほとんどの方はつわりが終わっている頃です。しかし、お腹が大きくなってくる頃なので、何をするにも体力を使い、ちょっとしたことで疲れやすくなる時期でもあります。
結婚式当日に、大きくなったお腹で足元が見えず転倒したり、衣装の締め付けでめまいが起きる可能性も高いです。どうしてもこの時期に結婚式をやりたい場合は、担当の医師に相談して慎重に話を進めていきましょう。
出産後に挙式することも
妊娠中に結婚式を行なうことに不安を感じる方は、出産後の落ち着いたタイミングで結婚式を行なうのもおすすめです。
出産後に挙式するメリットとしては、
・体調を気にしなくて良い
・小さな子どもが結婚式に参加することで、アットホームな結婚式になる
・お腹の大きさを気にせずに好みの衣装を選べる
などがあります。
産後すぐは、赤ちゃんのお世話やホルモンバランスの乱れで安定しない日々が続きます。出産後に結婚式を検討される場合、子どもがある程度大きくなってきた一歳や二歳頃に考え出す方が多い印象です。
結婚式当日の子どものお世話は、プロのベビーシッターを雇う方がほとんど。ベビーシッターにお願いすることで、親の負担も減らすことができ、みんなが結婚式を楽しめるでしょう。
おめでた婚の挙式時の注意点
おめでた婚で挙式する場合、妊娠していない人よりも、人一倍体調に気を遣う必要があります。ここではおめでた婚で挙式する場合の注意点をご紹介します。
無理なスケジュールは立てない
個人差はありますが、妊婦が元気に動ける時間には限りがあります。披露宴の演出を盛りだくさんにしてしまうと、途中で倒れてしまう可能性も。結婚式は、開始時間前からの支度時間やリハーサルなど、何かと時間がかかるものです。無理なスケジュールは立てないよう、配慮する必要があります。
おめでた婚の場合、金銭的にも精神的にも負担が少ない「少人数ウエディング」や「親族婚」がおすすめです。
無理のないサイズの衣装を選んで
妊娠中の女性のお腹は日々どんどん大きくなります。挙式当日のお腹の大きさを想定して、初めから締め付けのないふんわりしたデザインのドレスを選ぶなど、サイズに余裕があるものを選びましょう。
娘を持つ親御さんであれば、一緒に衣装選びに出かけて、親としてアドバイスしてあげる時間も楽しいものになりそうです。
最後に
自分の子どもが「おめでた婚」であることに不安を感じていたとしても、それは子どもたちも、相手の親もみんな同じ気持ちでしょう。多少の不安はあっても、みんながおめでた婚に対して「幸せが二倍になる」と前向きにとらえることができれば、良好な家族関係を築けるはずです。
親として、二人が前向きに結婚に向き合えるようメンタル面をサポートしてあげることで、きっと親子の絆も深まることでしょう。
監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/
構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
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