5歳年下の男性と交際7年で結婚
1年の留年がアダになったのか、諒子さんは就職に失敗。拾ってくれた会社はノルマの厳しい営業職で、8か月ほどでリタイアした。フリーターで実家で暮らすことに罪悪感が強くなり、友人宅にお世話になることに。夫は同居相手の友人だったという。
「就職氷河期で、有名大学でも1留をしているからか、どこを受けても受からない。不採用の通知が来る度に自尊心を傷つけられているような気持ちでした。なんとかギリギリ就職はできたものの、ノルマがとにかく厳しかったんです。美容機器を売る営業の仕事だったんですが、楽しかったのは最初の1か月だけ。研修で行った沖縄で同期と海で遊んだことだけがいい記憶で残っています。
そこからはフリーターになって、汚いものを見るような父親の目に耐えられなくなり、実家を出ました。友人宅に居候をしたり、ルームシェアをしていたとき、同居相手の友人として夫と出会いました」
夫と結婚したのは付き合って7年目のとき。夫は5歳下だったこともあり、結婚にはあまり前向きではなかったこともあり、諒子さんからプロポーズをしたという。
「付き合ってすぐに夫の一人暮らしのアパートで同棲をスタートして、私が飲食店の契約社員になったときに引っ越しをして2人の住まいを構えました。そこから大きなケンカもなく付き合っていたんですが、まったくプロポーズをされなくて。相手が5歳下なので私が30歳前後の周囲の一次結婚ラッシュには我慢しました。でも、そこからもまったくで、私からそのまま『結婚したい』と伝えたんです。
プロポーズを受けてもらって、すぐにお互いの両親への挨拶に行ったのですが、そこから相手の家の風習には違和感がありました」
口うるさい義母でも「遠方だから」我慢できると思っていた。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。