年齢とともに結婚願望が自然消滅

両親から結婚についての小言を言われるようになったのは30歳前後の頃。真子さんが理不尽だと感じたのは、3きょうだいの中で自分だけが言われたことだったと振り返る。

「3人とも就職して2年前後で家を出ていたので、私が30歳になるぐらいには年に数回しか家族で集まることはなかったのですが、そのときに親は私にだけ『いい人いないのか?』とか、『結婚についてちゃんと考えているのか?』と聞いてきました。集まるとき以外にも、私は実家から近いところで暮らしていたこともあって、親が遊びに来たときにも言われていましたね。

何度も言われることにイライラして、『なんで私にだけ言うの?』と聞くと『女の子だから』と。その言葉にガッカリしました。そこからしばらく実家の集まりには顔を出さないようにしました。親と顔を合わすと、親にうるさい! とか酷い言葉を言ってしまうかもしれないと思ったからです」

そんな真子さんは35歳のときに3年ぶりに彼氏ができる。

「親に結婚について色々言われるようになった30歳前後のとき、私自身も結婚への焦りはありました。結婚なんて自然とできるものだと思っていたのに、そうじゃなかった。でもそのことに気づいたものの、何をどうしたらいいのかわかりませんでした。婚活についても調べたりはしましたが、そこまでして結婚したいのかなっていう自問自答を繰り返していると時間だけが過ぎていきましたね。

そして、仕事関係で知り合った男性と付き合ったのが35歳のとき。相手は子なしバツイチの2歳上です。この人と付き合ったときにはもう結婚はいいという気持ちになっていたんです。結婚どうこうよりも、この人のことが好きだから一緒にいたい、という気持ちだけでした」

付き合う男性ができたことを家族の誰にも伝えなかった。その理由は「結婚と無理やりにでも結びつけるから」という。

「私の中で結婚願望が年齢とともに自然消滅してしまったので、周囲の声は雑音でしかないなと思って。兄たちも自分が結婚していないことを棚に上げて、『お前は子どものタイムリミットがあるから』と孫問題を私に託してきますから。30歳前までは家族に恋愛事はオープンに話してきたんですが、彼のことは大切だからこそ秘密にしていました」

「子宮は使わなかったから」と親が娘に言い放った出来事とは。【~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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