取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです。

昭和、平成、令和と時代が移り変わるのと同様に、家族のかたちも大家族から核家族へと変化してきている。本連載では、親との家族関係を経て、自分が家族を持つようになって感じたこと、親について、そして子供について思うことを語ってもらい、今の家族のかたちに迫る。

ノマドマーケティング株式会社は、全国の25歳から49歳の独身男女1,000名を対象に結婚を諦めたことについてのアンケートを実施(実施日2023年1月10日、有効回答数:1,000、インターネット調査)。「結婚を諦めて後悔した」と答えたのは男性が17%、女性が15%という結果になった。男女共にほとんど差はなく、後悔している割合は少なかった。

今回お話を伺った、由美さん(仮名・43歳)は20代のときに付き合っていた男性と結婚の話が浮上するも、信仰などの問題が生じて破局に至っている。破局後は実家に戻るも、働きもせずにしばらく「生きることだけをしていた」と語る。【~その1~はコチラ

姪っ子を見て、引きこもりを卒業。子どもが欲しいと思った

ただ生きるだけだった期間は1年以上。また結婚したいと思わせてくれたのは、弟の妻である義妹とその子どもだったという。

「弟夫婦に子どもが生まれて、たまに実家に遊びに来ていたんです。当時、私のことを一番良く思っていなかったのが弟で、顔を合わせる度に『失恋でそこまで落ちるなよ』と言われていました。そんな弟は仕事であんまり来なかったので、私も部屋に引きこもることなく、義妹とは交流がありました。

彼女とは世間話をするだけです。でも、それが心地よかったんです。両親には気を遣われていて、弟からは色々言われて、普通の何気ない会話が欲しかったから。姪っ子も、本当にかわいくて……。その子のおかげで、もう一度結婚を目指してみようと思いました」

そこから派遣の仕事を始めて、友人からの紹介など様々な婚活を行った。当時、由美さんは31歳。子どもが欲しかったこともあり、結婚はかなり焦っていたという。

「結婚の目的が、子どもでした。周囲には未婚の子もいたけれど、結婚して妊活してから不妊と気づいて病院に通っている子もいました。私もどうなるかわからないから、とにかく早く結婚したかったんです。

働き出して、もう一度恋愛しようとしている娘に対して、両親は相変わらず何も言ってきませんでした。30歳を超えた娘に対して、友人たちはうるさく親から結婚しろって言われていたから、まだ気を遣われているんだと思っていました」

【結婚するのが普通という価値観を持っていたのは私だけ次ページに続きます】

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