住宅を購入する場合、多くの人が住宅ローンを利用します。しかし、住宅の購入には多額の資金が必要となり、借入期間も長期にわたることから、貸す側の金融機関も慎重となります。そのために行うのが、「住宅ローンの事前審査」です。住宅ローンの申請者にとっても、希望通りの借入れができるかどうかは大きなポイントとなります。


前回も触れましたが、今回は「住宅ローンの事前審査」についてより詳しく見ていきましょう。100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。

目次
住宅ローンの事前審査とは
事前審査を受ける際の必要書類
事前審査に落ちた場合
まとめ

住宅ローンの事前審査とは

住宅ローンの事前審査は、金融機関によっては仮審査ともいわれます。住宅ローンを組むには、金融機関による事前審査と本審査、2つの審査を通過しなくてはなりませんが、なぜ2回の審査を必要とするのでしょうか?

事前審査の目的

住宅ローンの契約は、住宅の購入が決定した後になります。そのため、万が一住宅ローンの審査に落ちてしまうと、住宅の売買契約が終わっているのに支払いができず、住宅ローンを申込んだ本人はもちろん、物件の売主や不動産会社などにも損害を与えることになってしまいます。

こうした事態を回避するため、住宅ローンの申込人が一定の基準をクリアしているか確認するため、事前審査が行われます。

事前審査には、なるべく手間を省きながら、申込者の返済能力や信用力を短期間で判断するという目的があります。年収やローンの利用状況、物件価格や希望する借入金と返済期間など、さまざまな情報から申込人の返済能力や信用力が審査されます。

審査期間

事前審査の結果が出るまでは、1週間程度が目安です。ネット銀行など、銀行によっては1~2日で結果がわかることもあります。クレジットカードの延滞をしているなどの理由で、信用情報にマイナスな情報があると、融資が受けられないという結果が短期間で出ます。

また、個人事業主や借り入れ希望額が高額の場合などは、銀行内の個人融資の部署での決済に時間がかかる場合、1週間以上審査に時間がかかることがあります。事前審査は、なるべく早い段階で済ませておくことを勧めます。また、審査に落ちた場合や、想定していた内容との違いが出たときのことを考えて、複数の金融機関で事前審査を申し込んでおくのも良いでしょう。

事前審査に通ったからといって、本審査も通ることを保証されたわけではありません。なお、仮審査と本審査は同じ金融機関である必要はありません。

事前審査を受ける際の必要書類

事前審査の申し込みでは、どのような書類が必要となるのでしょうか? 住宅ローンの事前審査を受けるには、金融機関で用意される申込書に加え、複数の書類を提出しなくてはなりません。とはいえ、事前審査の必要書類は本審査ほど多くはないので、書類の準備にはそれほど負担に感じることはないでしょう。

最近では、ネット銀行などを中心に事前審査では書類提出が原則不要な金融機関もあります。金融機関によって異なりますが、一般的な必要書類は以下のようになります。

必要書類

(ア) 本人確認書類

マイナンバーカード・運転免許証・パスポート・住民票・健康保険証など

(イ) 収入に関する書類

1.給与所得者の方:前年の源泉徴収票・住民税決定通知書・課税証明書など
2.個人事業主の方:確定申告書や納税証明書(3年分)
3.法人代表者の場合:前年の源泉徴収票や確定申告書や納税証明書(3年分)・決算報告書(3年分)

(ウ)物件の確認資料

1.購入予定物件の販売チラシ
2.間取図など

(エ)その他の書類
1.他の金融機関からの借入れに対する返済計画表
2.資金計画表

事前審査から融資の実行まで滞りなく進めていくために、必要になる書類を事前に確認して計画的に準備をしていきましょう。

事前審査に落ちた場合

事前審査を受けて、審査に落ちてしまうことはないとは言えません。ここでは、審査に落ちる原因や対処法について見ていきます。

<事前審査に落ちる原因>

信用情報に載っている情報

事前審査に落ちる原因の一つとして、信用情報に載っている情報によるケースが考えられます。信用情報とは、信用情報機関が加盟する金融機関やクレジット会社などから、登録された消費者の契約内容や返済状況などを集めた情報のこと。消費者の信用力を判断する材料として活用されています。

クレジットカードの支払いが遅れていたり、カーローンなど他に借り入れているローンの返済が滞っていたりすると、その情報が信用情報に登録され、審査に不利になることが考えられます。

車を購入したなど、返済中のローンなどがある場合

住宅ローンの事前審査では、「返済額が年収の何割になるか」というローン返済の年収負担率を審査されます。この年収負担率は住宅ローンの返済額だけではなく、マイカーローンや教育ローンのほか、クレジットカードのリボ払いや奨学金の返済などの返済額合計で見ます。返済額が大きいと規定の年収負担率を超えて、事前審査で落ちてしまう原因の一つとなります。

<落ちた場合はどうするか?>

事前審査に落ちた理由に心当たりがある場合、解決策はあります。

・年収が上がるのを待つ
・借入額を減らすために頭金を増やす
・購入物件を価格の低いものに変更する
などです。

また、自分の信用情報はインターネットや郵送で、株式会社シーアイシー(CIC)などの指定信用情報機関に依頼すれば開示してもらうことが可能ですから、調べてみるのもいいでしょう。

まとめ

住宅ローンを活用して住宅を購入する場合の事前審査について見てきましたがいかがだったでしょうか? 事前審査に落ちてしまう原因を知っておき、該当しそうであればあらかじめ対処しておくと良いでしょう。

資産運用や投資のアドバイスは、今や銀行などの金融機関の窓口でもさかんに行われています。同時に、インターネット上でもYouTubeやSNSを通じて色々な人がそれぞれの立場から投資術などを発信しています。しかし、それらのアドバイスは本当にあなた自身に適したものなのでしょうか? 

さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。

●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)

株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)

株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com

●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB

 

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