SNSで男漁りをしているのではないか

須賀子さんは麻子さんのFacebookアカウントを見ると、麻子さんは須賀子さんの友達に、友達申請をし、Facebook上でつながっていたという。それに須賀子さんは驚く。

「Facebookは“実際に会っている人”同士がつながるルールがあります。それなのに、Twitterのフォロワーを増やすような感覚で、つながっている。しかも、麻子さんは今の写真ではなく、さらに若く美しい時代の写真を使っているんです。こんな美人から申請が来たら、女性に慣れていない息子の野球チームの男の子たちは、コロッといってしまう」

実際は61歳の女性とはいえ、スリムで美しい麻子さんは、十分女性としての魅力がある。それゆえに、30代後半から40代にかけての須賀子さんの友達と、男女の関係になっているのではないかという疑惑も浮上する。

それは、息子から「お母さんの友達の麻子さんって人は、俺の友達にメッセンジャーで変なことを送っている」とスクリーンショットを見せられたからだ。そこには「写真を見てタイプだと思った」から始まる、麻子さんからのネットナンパの文章だった。

「もともと、色っぽい人ですが、まさか自分の息子世代の男性にまで色目を使うとは思わなかった。しかも、そのメッセージを送った人は、麻子さんの息子の友達でもあった子なんですよ。一応、麻子さんには“息子の友達に変なことをしないでね”と言ったのですが、“何のこと?”としらばっくれられました」

おそらく、麻子さんはコロナ禍で店が休んでいる間、男性とデートを繰り返していたと推測。また、得た多額の助成金で、美容施術を受けたのか、さらに美しくなっていたという。

「麻子さんにとって目の上のたんこぶだった義母が認知症になって、施設に入ることに。お義父さんも亡くなって、家は麻子さんの天下になっていましたから、デートもやりたい放題だったんでしょうね。そして私のFacebookの友達にいた、20も30も年下の男を漁ったんです。彼らも気まずいのか私と距離を置くようになってしまったんです」

助成金の味を知った麻子さん夫妻は、労働意欲がそがれたのか、食堂をそのまま畳んでしまったのだという。

それから2年、麻子さんがどうしているかというと、よくわからないという。ただ、先日、須賀子さんに「3万円貸してくれない?」と連絡が来たので、いい生活はできていないと推測しているそう。

「思えば、施設と婚家しか世界を知らなかった。でもSNSがその他の世界を見せ、人とつなげてくれた。そうなると、“今までの私ってなんなの?”となり、タガが外れてしまった。それと、時間が有り余るコロナが重なり、爆発したんでしょう」

先週、麻子さんが家を出てから夫がひとりで暮らしていた食堂が取り壊されたという。おそらく、お金に困って売ったのではないかと推測する。

SNSは気軽に人とつながり、相手の「いいところ」だけを見せる拡大装置だ。その魔力に絡めとられないためには、適切な距離感を持って使用しなければならないのかもしれない。

取材・文/沢木文
1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』 『不倫女子のリアル』(ともに小学館新書)、『沼にはまる人々』(ポプラ社)がある。連載に、 教育雑誌『みんなの教育技術』(小学館)、Webサイト『現代ビジネス』(講談社)、『Domani.jp』(小学館)などがある。『女性セブン』(小学館)などにも寄稿している。

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