人の命には限りがあります。それはわかっているものの、なかなか現実感は持てないもの。しかし、危篤の連絡を受けたとき、一気に現実を知らされます。気が動転して、冷静に行動できないことがないように、気持ちの準備と対応の準備をしておきましょう。
この記事では「危篤の連絡を受けたら」について、京都・滋賀で85年の歴史を持ち年間約6,000件の葬儀を施行する、葬祭専門企業・公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)がご紹介いたします。
もしものとき、その日のときに、この記事をお役立てください。
危篤とは
「非常に危険な状態です」あるいは「重篤な状態にあります」など、患者の診察後に医師からの説明で使われる言葉があります。しかし、厳密にこれらの表現は「危篤」とは別。これらの言葉には「非常に危険な状態なので処置をします」「重篤な状態にあるので処置をします」といった、「まだ助かる見込みがあり、それに向けて処理を施します」というニュアンスが含まれているのです。
では、医師が「危篤です」という背景にはどんな意味があるのでしょうか?
危篤の意味
危篤というのは、死に直結している状態。つまり、いつ亡くなってもおかしくない状態のことをいいます。これは担当医の判断であり、明確な条件があるわけではありません。意識の状態や、呼吸、血圧など、「回復の見込みがない」と判断された場合です。
危篤連絡を受けたら
家族の危篤連絡を受けると、気が動転してしまい、何をしていいのかわからなくなります。まずは深呼吸をして、気持ちを鎮めてから病院に向かいましょう。
時間帯によっては、交通手段も異なるでしょう。また、状況によって、数日間の泊まり込みになる可能性もあります。スマートフォンの充電器、財布やカード類、着替えなどの準備をしてから、向かいましょう。自家用車で駆けつけるときは、焦って交通事故などを起こさないよう、落ち着いて運転をしてください。
病院に着いたら
危篤の状態がどれだけ続くかは、その人自身や病気の状態によって様々です。すぐに臨終を迎えることも、数日間にわたって小康状態が続くこともあります。また、危篤の判断をされても復活することも。ですから、絶望せず希望を持って寄り添いましょう。可能であれば手を握り、優しく声を掛け続けることも大切です。また、感謝の気持ちや、いい思い出など、本人に伝える最後のチャンスとなるかもしれません。
危篤の連絡
危篤の連絡の際、病院に駆けつける以外に、もうひとつするべきことがあります。親族や知人などへの連絡です。誰に連絡するべきかを事前に把握しておきましょう。
危篤連絡の目的
危篤の連絡については、2つの目的が想定されます。1つは親しくしている方に、生きている間に会っていただくため。もう1つは事前に連絡しておくことで、最悪の状況を想定していただき、心づもりをしてもらうためです。特に親しい間柄の親族や知人への連絡は前者の目的、遠方の親族や知人、日頃の付き合いが深くない親族、職場への連絡は後者の目的になります。
親族への連絡
危篤の連絡がきたら、まずは家族に知らせ、次に近しい間柄の親族に連絡します。生きている間に一目会っていただきたい方への連絡です。そのため入院先の病院名や住所、病室番号、連絡先などをお伝えしておきましょう。
どこまで連絡するか
どこまで連絡するかは、ご本人との関係性や連絡する方の状況を考えて、判断することが大切です。また、病院に駆けつけていただく人数も、病室の状況や他の入院患者さんの状況などを踏まえて検討しましょう。親族に関しては、三親等の範囲でするのが一般的です。
職場への連絡
危篤の場合、短い場合もあれば、長期間に及ぶ可能性もあります。ある程度状況を判断しながら、なるべく早く職場には連絡を入れるようにしましょう。長期間に及ぶ可能性がある場合は、業務上の支障が出ることもあります。職場の上司と状況を連携しながら、連絡を取る必要があるでしょう。
職場へのメール連絡の例文
職場への連絡をする際は、時間帯や状況によって、メールでの連絡になる場合も考えられます。その際の例文について記載しますので、ご参考になさってください。
●●部長
メールでのご連絡、失礼します。
●●部●●課の●●(連絡者の氏名)です。
私事で大変恐縮ですが、病院から父●●が危篤との連絡があり、これから病院に向かいます。大変急なことで申し訳ないのですが、付き添いのため、しばらく休暇をいただきたく存じます。状況がわかり次第、改めてお電話いたします。何卒宜しくお願いします。
万一のときの備え
生きている間に、亡くなったときの備えをすることは憚られますが、危篤というのは、いつ亡くなられてもおかしくない状態です。最期に立ち合うという心の準備はもちろんのこと、他にも備えをしておくことがとても大切ですので、以下にご紹介いたします。
お寺、葬儀会社の検討
まずは、関係のある菩提寺への連絡をしましょう。可能であれば、そのときのために依頼をしておきます。菩提寺がない場合は、前もってどこのお寺に依頼するかも検討して決めておきましょう。
同じく、葬儀会社にも連絡を入れます。しかし、どこの葬儀会社にするのかを決めていない方も、たくさんいるのではないでしょうか。葬儀にかかる費用は小さいものではありません。事前相談、事前見積をして決めましょう。事前に式場見学もしておくといいでしょう。
突然にやってくる命の終わりを考えると、そのときになってから考えるよりも、事前に決めておくことが大切です。亡くなられたときに、病院での遺体の安置が長くできないこともあります。直前になって、迷っている時間はそう多くはありません。後悔しないように、備えておきましょう。
費用について
入院費や葬儀費用、僧侶へのお布施、火葬費用などの支払いが発生します。ある程度まとまったお金を準備しておきましょう。また、当の本人の口座からお金を引き出すつもりでいると、金融機関が本人の死亡を知った場合、相続財産として口座が凍結されてしまい引き出せなくなりますのでご注意ください。
まとめ
医師によっては「危篤」という言葉を使わずに、伝えられることもあります。「重篤」や「危険」などと言われたら、医師に詳しい状態などを聞くようにしてくださいね。
●取材協力・監修/公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)
京都・滋賀で85年に渡り葬儀奉仕の道をひと筋にあゆんでいます。「もしも」のとき安心してお任せいただけるのが公益社です。
●編集/中野敦志(京都メディアライン・https://kyotomedialine.com FB)