27歳の息子が、60代の女性と交際していた理由は

息子は全く働いておらず、もっぱらパチンコをしています。朝から近くのパチンコ店に並び、昼過ぎまで打って女性の家に帰宅。女性は近くの工場で働いており、彼女が休みのときは、2人でパチンコを打ちに行くという生活です。

以上を報告すると、「予想はしていましたが、これは想像以上です」と頭を抱えていました。

さらに、息子は100万円ほどの借金があり、祖父が残してくれた遺産の2000万円もとっくに使い果たしていることがわかったのです。

「この家の家賃も、私たちが振り込んでいるのに、こんな女の家に入り浸っているとは」。

とはいえ、息子の気持ちを想像すると、どんなに勉強や仕事を頑張っても、やがて「家を継げ」と呼び戻される運命にあれば、身も入らないのではないか……でもそれは私たちの想像なので、黙っていました。

信也さんは「おぞましい……こんな男になってしまい、ご先祖様に申し訳ない」と繰り返しており、「養子をとることも考えます」とおっしゃっていました。

それから3日後、信也さんから「息子の惨状を見て、私の代で、店はおしまいにすることにしました」と連絡がありました。

信也さんが息子に会いに行くと、60代の女性が対応し、「この子、“死にたい”“俺は生きている意味がない”と言うから、かわいそうで」と言ったとか。息子と女性は3年前に多くの信者がいる新興宗教の会合で出会ったのだそうです。女性は5年前に夫を亡くしており、子供もいない。信者の環の中に入れない息子に声をかけると、そのうちに家に来るようになり、交際が始まったのだそう。

女性は母親のように、息子に接しており、息子が女性と遊び歩いていることもすべて受け入れていたのだそうです。

「自分の母親と同じ年の女性と交際するのも衝撃的でしたが、息子が毎日“死にたい”と言っているのも驚きました。息子は“お父さんには会いたくない”と電話さえ出ない。さらに、女性から、“仕事をした方がいい”と言われると、“親に連れ戻されるから、雇ってくれた人に迷惑をかける”とも言っていたそうです」

信也さんはかつて、息子を強制的に連れ戻したことが何度かあり、肉体的な暴力でいうことを聞かせていたこともあったのだとか。信也さんの妻は“家の存続”だけを考えており、その結果、2人の娘は家に寄りつかず、息子は宗教にのめり込むという結果に。

女性から「息子さんが私と付き合っているのは、“あなたは60代でもう子供が産めないからだ”と言われたことがあります」と告白されたとも。

以上を考え、不本意ながらも自分の代で店を手じまいすることを決めたそうです。

「親戚に反対されると思ったら、誰もが無関心でした。いったい妻と私は何をやっていたのかと思います」

時代は変わっていき、古いものはすたれていく。ただ、いいものや人を幸せにする要素を含むものは残っていくと感じています。信也さんはこれからの人生を、家族との関係修復に尽力するのでしょう。個人の人権が軽視されるゆえの悲劇は、今もどこかにあるでしょう。人権や差別の問題は今後も続いていくと感じています。

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/

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