芸能界を中心にした、性被害が連日報道されている。そんな中、2023年5月、刑法の改正案の修正協議が始まった。注目されているのは、性行為への同意を判断できるとみなす年齢を、現在の「13歳以上」から「16歳以上」にすることが盛り込まれていることだ。
成人と未成年との性行為は、相手が18歳以上で合意があれば犯罪にならない。相手が18歳未満なら合意があっても、法律で処罰される場合がある。
キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは、「未成年者との性交渉の可能性について、家族から相談を受けることが増えました」と語る。今回の依頼者は、千穂さん(自営業・57歳)だ。結婚10年になる夫(50歳)が、経営する飲食店で働く17歳の高校生の女性とキスしている所を目撃し、山村さんに相談。そのうちに離婚に向かって意思を固め、調査に入ることになった。
【それまでの経緯は前編で】
女子高校生には同じ学校に恋人がいた
夫も店でスタッフとして働いているので、女子高校生と夫の勤務日が被る日に調査を開始。たまたま、千穂さんが相談に来た日の夜だったので、客として店に向かうことにしました。
彼女の出勤時間は17時30分。店の前で張り込みをしていると、制服を着た男女が手を繋いでやってきて、店の前で「バイバイ」と別れます。女性のほうは夫とキスをしていたという高校生で、同じ学校に彼がいたことがわかりました。
18時に開店すると、常連客がカウンターの定位置に座り、保育園帰りの子連れのママ友たち、近くの信用金庫の行員さんと思しき人々で、あっという間に満席に。金曜日ということもありますが、すごい混雑ぶり。私達は客として中を見ようと思いましたが、21時まで入れませんでした。
やっとのことで席に座り、店内を見回すと、彼女はとてもいい働きぶり。ほかの2人の女性の店員さんと連携しながら、30席以上あるお店を回していました。
そして、22時に退勤した後を尾行すると、真っ暗な一戸建てに入っていきました。ペアの探偵が夫を見ていましたが、23時に店を閉めて、そのまま自宅へ。この日は店が忙しすぎたこともあり、別日に調査に入ることにしました。
2回目の調査は水曜日。高校生カップルが店の前で手を振って別れるところまでは同じです。この日は雨が降ってきたこともありましたが、お客さんの数はそれなりにいて、忙しそう。ただ、前回と違うのは、いつも厨房にいる夫がホールに出ていたこと。
彼女のほうが、夫にすり寄ってじゃれている……父に甘える娘のようでもあり、夫はまんざらでもない表情を浮かべています。
私達は以前も、未成年の女性と成人男性の恋愛の調査をしたことがありました。そのときも、女性側が積極的でした。その女性は、自分の若さや魅力を試すように成人男性を魅了することに喜びを感じていたことが後にわかりました。その時のケースとよく似ています。
ニュースでは「断り切れない未成年者を、圧倒的力がある成人が乱暴に性交渉をする」という内容が多いです。当然、これはあってはならない犯罪行為。ただ、この調査をしていると、そうではない場合もあることがわかります。
この日は、21時30分にはほとんどの客が帰ってしまい、外国人の3人組と私達だけ。「一見さんだけ」と油断したのでしょうか、彼女は夫に対してボディタッチを繰り返していました。彼女は一見、地味な雰囲気なのですが、スイッチが入ると色っぽいので、生々しい。
パッと見には「仲良し従業員」ともいえる映像の撮影に成功しました。この日は22時に閉店。それから30分後に彼女が、1時間後に厨房スタッフ2名と夫が出てきました。
【夫と女子高生との関係は……次のページに続きます】