取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

コネヒト株式会社は、出産前後の女性の就業状況に関する調査結果を公開(調査方法:インターネット調査 調査期間:2023年1月4日〜3月16日 有効回答数:2,620件)。今回の調査では、「夫の家事・育児関与度が低いほど、妻が産後離職する」という傾向が判明した。

今回お話を伺った恵美さん(仮名・44歳)は産前休暇のギリギリまで働いていたものの、育児中に離職を余儀なくされた1人。

「結婚前に夫にはずっと仕事は続けたいという私の気持ちを伝えていたのに、聞き入れてもらえませんでした」

両親に植え付けられたのは“姉に勝ちたい”という思い

恵美さんは奈良県出身で、両親と3歳上に姉のいる4人家族。家族仲は良好、そして姉との関係は良好だったが、姉妹間には常にライバル心を親から植え付けられていたという。

「私を叱るときには『お姉ちゃんはあんたぐらいの年齢にはちゃんとできた』と言い、姉を叱るときには『あの子(恵美さん)はあんたみたいにダメところは一切ない』と比較してくるような親でした。姉とは3歳違いなので学校が被ったのは小学校ぐらいで表向きは仲良しだったんですが、どこかで“姉より優秀にならなければいけない”と思っていました。実際に姉は短大、私は大学に進学したときには、“勝った”と思ってしまいましたからね」

勉強は恵美さんのほうができた。しかし、恋愛、結婚、そして出産は姉のほうが早く、恵美さんは姉の結婚を目の当たりにしてから早く結婚したいという気持ちが強くなっていったと振り返る。

「姉は24歳のときに結婚しました。結婚してすぐくらいに妊娠をして、嬉しそうに報告してくれる姿に、喜びながらも正直、焦りました。当時は大学生で卒業したら23歳になる年で、その1年後に結婚なんて無理かもしれないと頭で人生設計を始めました。それまで結婚なんて全然現実味のない感じだったのに、当時付き合っていた彼との結婚をリアルに想像し始めたのは、姉の結婚に影響されたからでした」

【結婚の挨拶のときに義実家近くに新居をプレゼントされる。次ページに続きます】

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