結婚の挨拶のときに義実家近くに新居をプレゼントされる

卒業直前のときに3年間付き合った男性と破局。その後、社内恋愛を経て28歳のときに結婚に至った。

「大学の彼氏には他に好きな人ができたとサクッとフラれてしまって。私の人生設計はそのときに破綻しましたね。当時はそれで自暴自棄になり、社内の婚約者がいる先輩の遊び相手にされるなど、散々でした。

その後、転職組で入社してきた2歳上の男性と恋愛関係になり、結婚しました。結婚したときには私は別会社に転職していたので社内結婚ではありません」

就職を機に大阪で生活をしていた恵美さんだったが、結婚相手は地元も大阪。大阪の郊外にある義実家の周囲の土地を義両親は持っており、結婚の挨拶のときに「新居を建ててあげる」と言われたという。その申し出を断ることができず、そのときに夫に「ずっと私も仕事をし続けること」を新居で暮らすことの条件として提示した。

「転職した先は輸入雑貨を扱う小さな会社だったんですが、人間関係も良くて、とても大好きでした。決められた新居から通うには少し大変な距離で、もしかしたら辞めさせられるかもしれないとそのとき思ったんです。だから、義実家の近くの新居では暮らすことを了承する代わりに、ずっと仕事を続けさせてほしいと言いました。

私の働く会社もそこまで都心にあるわけじゃなかったので、通勤用の自家用車を夫と相談して買うことになりました。新居には夫の車と新しく買う私の車用に駐車場を2つ構えるなどの変更点も義両親は了承してくれたので、夫も義両親も私が働くことに賛成しているように見えました」

約1年の仮住まいを経て、新居に引っ越し。新居のお金に関しては毎月家賃として少しずつお金を渡していくことを夫婦で決めたという。それは夫婦共働きが前提だった。

新居で暮らし始めて2か月後に恵美さんの妊娠が発覚するが、恵美さんが違和感を覚えるほどに夫との生活にまったく変化はなかった。

「夫はとても喜んでくれて、『体は大丈夫?』と声かけはしてくれるんですが、それ以外は何も変わりませんでした。たとえ私がしんどいと訴えても、『落ち着いてからすればいいから』と何も手伝ってくれないのです」

妊娠前後で何も変わらない夫。そしてお金で操ろうとしてくる義両親。ワンオペ育児は想像以上の辛さだった。【~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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