取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

コネヒト株式会社は、出産前後の女性の就業状況に関する調査結果を公開(調査方法:インターネット調査 調査期間:2023年1月4日〜3月16日 有効回答数:2,620件)。今回の調査では、「夫の家事・育児関与度が低いほど、妻が産後離職する」という傾向が判明した。

今回お話を伺った恵美さん(仮名・44歳)は産前休暇のギリギリまで働いていたものの、育児中に離職を余儀なくされた1人。28歳で結婚して、その1年後には義実家の近くの新居での暮らしをスタートさせる。【その1はコチラ

家事が滞っていると「おふくろを呼ぼうか」

恵美さんの家庭は共働きで、家事は「後にお風呂に入った人がそのまま掃除をする」などのルールがあった。しかし、明確に決めたものは少なく、“気づいたほうが行う”という曖昧なものはすべて恵美さんが行っていた。

「洗面所の掃除は使った後は掃除もするとか、生活用品は残りの決まった数になったら補充するなど、気づいたほうがやることが多くて。それを夫がやってくれていたとしても、取り切れていない汚れとか、その他のものの補充などはすべて私がやっていました。妊娠後もそれは同じでした。体が辛くてどうしてもできずに汚れていくことに気づくと『おふくろ呼ぼうか?』と夫は聞いてくる。あの人の中には、自分がするという考えがないんだと思いました」

恵美さんは産前休暇を取得するまで働き続け、家事も義母に任せることなくやり続ける中で、無事女の子を出産。産後休暇を経て仕事に復帰するも、妊娠中よりも心身ともに思うように動かないことが増えたという。

「あれとあれ、これもやらなければいけない、と予定を考えて気持ちだけ焦っていくのに、体がそれを拒否しているかのように重くてうまく動けないんです。目の前で起こったことに咄嗟に行動するだけで精一杯で、予定を何もこなせなくなりました。

復帰してから子どもは保育園に預けていたのですが、その送り迎えは義母がやってくれていました。だから、その後の義母とのおしゃべりの時間もマストで……。家にはホッとできる時間が一切ありませんでした」

【夫の稼ぎと義両親からプレゼントされた家での暮らしは軟禁と同じ 次ページに続きます】

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