わかっているようでわかっていないことがあっても、年齢を重ねるとなかなか人に聞けなくなってしまいます。そのひとつに「葬儀に関する作法」があります。気軽に聞ける人となると、親しい友人か知人などですが、そこから得られた情報が正しいとは限りません。日常生活していても、頻繁に葬儀があるものではないからです。

年齢を重ねるからこそ「葬儀に関する作法・知識」は身に付けておきたいところです。

そこで、この記事では「喪中とはいつまで?」について、京都・滋賀で80年の歴史を持ち年間約6,000件の葬儀を施行する、葬祭専門企業・公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)がご紹介いたします。

もしもの時、その日の時に、この記事をお役立てください。

目次
喪中の意味
喪中にやってはいけないこと
喪中でのお正月のすごし方
喪中はがき
まとめ

喪中の意味

喪中とは、亡くなられた方に対して哀悼の気持ちを表す期間です。つまり、死を悼み、心を落ち着かせ静かに身を鎮める期間とされています。「喪に服す」とはまさにそのことを表しています。それでは喪中について以下に詳しく解説します。

喪中と忌中の違い

「喪中(もちゅう)」の他に「忌中(きちゅう)」という言葉があります。忌中とは、「死は穢れたもの」という神道の考えからきているものです。神道では亡くなられて50日後の五十日祭をもって忌が明けると考えられています。

仏教では亡くなられた方が、来世にいけず冥土をさまよっている期間とされています。無事に来世に行けるように祈る期間が49日間で、四十九日法要をもって忌が明けるとされています。

喪中とは

「喪中」という考え方は儒教の教えで、仏教や神道とは関係がありません。日本で一般的になったのは江戸時代の5代将軍・徳川綱吉が定めた「服忌令(ぶっきりょう)」からです。この法律には「喪に服する期間」などが決められていました。また、古くから日本では喪中は家の中でも喪服を着用して外出もせず、肉や魚の生ものは避けて過ごすという生活をしておりました。

現代ではそのようなことはありませんが、古来の習わしを踏襲しています。喪中には亡き人を思い、死を悼み、自らの身を慎み、気持ちを落ち着かせる期間になっています。

喪中の期間について

期間についての決まりはありません。残された遺族が亡くなった方に対する悲しみが癒えるまでの期間というのが本来の意味です。ただ、一般的には前述の「服忌令」で定められた期間に倣って、父母の喪中については1年間とされています。

喪中にやってはいけないこと

基本的に派手な行動は慎みます。慶事もできれば控えておきたいところです。ただ慶事でも結婚式など、すでに日取りが決まっていたものに関してはこの限りではありません。出席される場合は、黙って出席するのではなく、先方に対して、喪中での出席でも問題ないか確認をとるようにしましょう。

神社への参拝

神社によって考え方が異なります。神道の考えでは、「死は穢れ」と考えますので、忌中である50日間での参拝だけは慎むべきというところと、喪中の1年間は慎むべきという考えのところがあります。参拝する際は一度神社に確認を取ってから行かれては如何でしょうか。

旅行

旅行については昔、レジャーなどは慎むべきという考えはありました。近年は旅行も多様化しており、我を忘れて遊び呆けるようなものでなければ構わないのではないでしょうか。ゆっくりと温泉宿に泊って心を癒すことは、残されたご遺族の方も心安らぐひとときになることでしょう。

喪中のお中元やお歳暮

お中元やお歳暮は祝い事ではなく、日頃の感謝を込めた贈り物ですから問題ありません。ただし紅白ののし紙はやめておきましょう。

その他の行事について

喪中の間は、故人を偲び慎ましく生活することが基本です。祝い事や慶事の行事などには、極力参加を控えることが一般的になっています。ただし、年齢の節目などにあたる「七五三」や「お宮参り」など時期をずらすことが出来ないものは問題ありません。また、お祝い事に思えるような無病息災を願ったような行事には参加することは構いません。節分の豆まきや端午の節句などは無病息災を願うものです。

喪中でのお正月のすごし方

お正月自体が新年を祝う慶事の意味を持っているため、お正月らしいものは控えましょう。ではどのように喪中のお正月を過ごせばいいのかみていきましょう。

年賀状

年賀状は、新年を祝う慶事ですので出すことはできません。代わりに、年賀の欠礼を詫びる「喪中のはがき」を出すことでお知らせします。

初詣

神社の参詣は控えておいた方がいいでしょう。ただし、仏教に関してはお寺にお参りすることは良いこととされています。喪中に初詣を迎えられた方は、お寺にお参りするといいと思います。

お年玉

お年玉は正月を祝うという意味合いもあります。ただ、お子様は楽しみにされていますので、お小遣いという名目で紅白や縁起物のない袋に入れてお渡しされてはいかがでしょうか。

その他のお正月行事

しめ縄や門松、鏡餅などの飾りはせず普段通りの生活をしましょう。また、おせち料理なども控えておくべきとされています。おせち料理はお祝いの料理です。喪中は食べない方が良いでしょう。

喪中はがき

喪中にやってくるお正月。毎年恒例の年賀状について喪中はどのように対応するのでしょうか。

喪中はがきについて

喪中は年賀状を出すことはできません。普段、年賀状をやり取りされている方に対しては「喪中はがき(年賀の欠礼)」を出します。喪中はがきとは、親族に不幸があり喪中なので年賀状を送ることが出来ない旨を伝えるものです。年賀状を用意される、12月上旬には届くように投函しましょう。

喪中はがきの書き方

喪中はがきの内容については、時候の挨拶などの前文は不要です。冒頭に「喪中につき年始のご挨拶を差し控えさせていただきます」といった文章を記します。続いて、故人の情報(いつ亡くなったのか、どういう続き柄の人か、故人のお名前、年齢など)を記します。そして最後に、生前にお世話になった旨の挨拶と先方を思いやる言葉を書き添えます。

喪中はがきを出す範囲

喪中はがきはどの範囲に出せばいいでしょうか? 取引先など仕事関係者については、そのまま年賀状を出すことを考えても問題ありません。また、喪中はがきを出していない相手から年賀はがきが届いた場合は、喪中につき欠礼した旨を書き添えて寒中見舞いを出すようにしましょう。

まとめ

喪中とは忌中も含めた、亡くなられてからの1年間をいいます。忌中にやってはいけないことは神道、仏教の教えから決まっています。喪中ではご遺族自身の判断や確認なども含めて自主的に決めるものもあります。亡くなられた方に思いを馳せ、身を鎮めて過ごすことが大切です。

●取材協力・監修/公益社(https://www.koekisha-kyoto.com

京都・滋賀で80年に渡り葬儀奉仕の道をひと筋にあゆんでいます。「もしも」のとき安心してお任せいただけるのが公益社です。

●編集/中野敦志(京都メディアライン・https://kyotomedialine.com FB

 

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