取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

厚生労働省が発表した「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)」では、2020年度の婚姻件数は 52万5490組、離婚件数は19万3251組。婚姻件数、離婚件数ともに前年よりも減少しているものの、今もどこかで夫婦が誕生して、夫婦が他人になっている。日本の非婚化がメディアなどで多く取り上げられているが、今回は離婚を経験後に再び家族を求める人たちに、その理由を伺っていく。

「ただでさえ思春期を迎えた女の子はどう対応したらいいのかわからないのに、娘はどんどん卑屈になっていって、かける言葉が見つからないまま、何もできませんでした」と語るのは、健一さん(仮名・45歳)。20代で離婚を経験し、30代で再婚。相手の女性には娘がいた。

「中学浪人しろ」と母親に泣かれ、更生

健一さんは兵庫県出身で、両親と7歳下に妹のいる4人家族。両親に対しては、子どもに興味のない父親と、一人で育児や家事、パート勤務と忙しくて、いつもどこか余裕のない母親、という印象だったと振り返る。

「父親はお金を稼いでくるだけの人でした。母親は今でいうワンオペ育児状態で、私も最初は年の離れた妹の世話を手伝っていたんですが、母親は何をしても褒めてはくれなかったから……。逆にダメ出しされることもあって、いつしか手伝わなくなりました。父親は母親のこんなところが嫌いでああなってしまったんじゃないかなって思ってしまうほど、自分自身も母親のことを避けていました」

中学時代を振り返って「少しヤンチャだった」と言うが、高校受験に失敗したことで親への迷惑を後悔し、更生に至った。

勉強して進学した大学で出会ったのが最初の結婚相手だという。

「高校は遊んでいたら、本命の公立に落ちて、滑り止めの男子校に引っかかりました。そこはいわゆるバカ高校で、私の中学のときのヤンチャぶりをより悪くしたやつも多かった。さらに悪く染まってしまうかもしれない息子を危惧して、母親から『中学浪人してほしい』と泣かれたんですよ。家に帰らない時期も何も言ってこなかったのに、それが相当嫌でこれ以上悪くなるのを回避したかったのだと思います。

そんな風に泣かれても中学浪人はさすがにきつい。そんな高校でも上位の人たちはそこそこの大学には進学しているみたいだったので、親に勉強すると約束して進学させてもらいました。ヤンチャといっても、公園でたまって、バイクを乗り回したりしていただけで、近所の交番のおまわりさんとは仲良くなったりしていたんですけどね。

一度目の結婚相手とは大学で知り合いました」

【一度目の結婚は、妻の素行の悪さによって終わった。次ページに続きます】

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