人生100年時代において、定年後の人生を充実させる視点が重要です。定年退職する前から老後生活の準備をしよう、という「定年前活動(定活)」の考え方が少しずつ知られるようになってきました。その一方で、定年が間近に迫るまでは、老後の生活をなかなか想像できないのも事実です。

そこで、ストリートアカデミー株式会社(https://www.street-academy.com)が、40代以上の既婚女性594名に対して、「今から始める定年前活動」に関するアンケート調査を実施しましたのでご紹介します。趣味や学びを楽しむ大人の女性が、自身のパートナーの老後についてどのように認識しているのでしょうか。

6割以上の女性は「定活」という言葉を知らない

最初に「『定年前活動』『定活』という言葉を知っていますか?」と聞いたところ、「知らない」が67%で最多でした。「言葉の意味や、何をするのか知っている」という人は7.7%、「聞いたことはあるが、内容はよく知らない」という人は25.3%となり、約3割の人は「定年前活動」を知ってはいるものの、何をするのかまで理解している人は少ないということがわかりました。

まだ「定年前活動」の言葉が定着しておらず、行動に移すきっかけを持てていない人が多いことが伺える結果となりました。

次に「あなたから見て、配偶者の老後の過ごし方について、金銭面以外の不安を感じますか?(趣味や仕事、ボランティア活動など)」と質問しました。

あなたから見て、配偶者の老後の過ごし方について、金銭面以外の不安を感じますか?

「強く感じる」もしくは「まあ感じる」と答えた人は、合わせて50.5%という結果に。「あまり感じない」と答えた人は39.2%、「感じない」人は10.3%で最下位でした。普段一緒に過ごしているであろう夫婦の間であっても、妻の2人に1人は、夫の老後の過ごし方に不安を感じていることが伺えます。

収入面や健康面の心配から、約7割の女性が配偶者の定活を望む

次に、「配偶者に定年前活動をしてもらいたいと思いますか? 配偶者が定年を迎えている方は、定年までに定活をしてほしかったかどうか、お答えください」と質問しました。

配偶者に「定年前活動」をしてもらいたいと思いますか?

「ぜひしてほしい」もしくは「まあしてほしい」を合わせると、68.8%という結果となりました。「それほどしてほしいとは思わない」もしくは「する必要はない」と、積極的でない人は13%と少数派でした。一方、18.2%の人が、すでに定活をしているという事実もわかりました。約7割もの女性が、夫に定活をしてもらいたいと思っています。

定活を「ぜひしてほしい」または「まあしてほしい」と答えた方に、その理由を尋ねたところ、以下のような回答がありました。

・定年した後、家に籠って欲しくない。外に出ることや、なにかに打ち込むこと、楽しみをもってもらいたい。
・老後の収入と脳機能の低下が心配なので。
・老後の蓄えは重要だから、なるべく働けるだけ働いてほしい。
・家にいるよりは、社会との繋がりを持ってほしい。
・生きがいがあるほうが健康的で長生きしてくれると思うので。
・なにかを磨くことで、老後も健康面・精神面・金銭面での苦労を軽減できると思われるため。
・金銭面でも精神面でもお互いに自立していたい。
・仕事ばかりで趣味に打ち込む様子がなく、魅力的でないと一緒にいるのも嫌になりそうなため。
・現在の仕事以外のことは、あまり考える余裕がないようなので。

その理由は、「生きがいがある方が元気に過ごせる」や「長生きして欲しいから」など、健康で楽しく暮らして欲しいという、パートナーを思いやる理由が目立ちました。一方で、「魅力的でないと一緒にいるのも嫌になりそう」「お互い自立していたい」という厳しい意見もありました。また、「現在の仕事で忙しすぎるために考えていない」というコメントもあるように、将来に向けて考え、話し合う時間が足りていないケースもあるようです。

定活は何から始める?

セカンドキャリアコンサルタントの髙橋伸典氏に調査結果へのコメントをいただきました。

多くの女性が老後に前向きである一方で、配偶者に関しては心配があると考えられています。定年前後の男性は仕事に追われ、将来の生き方について十分考えないまま定年を迎えるケースが多いと思われます。

定年前活動として何から始めていいのかわからない方も多いことでしょう。まずは楽しめる趣味を持つ、新しいことを学ぶ、得意なことを仕事にする、などをパートナー同士で話してみることから始めてみると良いでしょう。

***

40代以上の既婚女性は、配偶者の老後に「生きがい」や「社会との繋がり」を持ちつつ楽しく暮らしていくために、多くが「定年前活動」をしてもらいたいと思っていることがわかりました。

一方で、「定年前活動」が謳われ始めてまだ日が浅く、何をすれば良いのかわからないという問題や、実際に定年が近付くまで具体的な行動に移せないという問題があります。10年先、というと先のように感じますが、今の積み重ねが繋がっているのは間違いありません。一日一日を充実して過ごしたいものです。

調査概要
調査期間:2022年9月2日~9月6日
調査手法:WEBアンケート
調査対象:40歳以上の既婚女性ストアカユーザー
有効回答者数:594人
有効回答者の年代:40代 41.4%(246人)、50代 47.6%(283人)、60代 9.8%(58人)、70代以上 0.8%(7人)

 

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