一緒に暮らしているのと同じ。50代の義父の老後問題と直面
別々に暮らし始めてホッとしていたのも束の間、最初の頃は義父も仕事をしていたこともあり、週末のみ遊びに来るように。しかし、徐々に滞在時間が長くなり、最終的には仕事を辞めて平日から入り浸るようになってしまったと言います。
「50代でまだまだ働けるのに、仕事を辞めてゆっくりすると。実家を売りに出したお金とか色々貯えはあるそうです。まぁ義父の人生なのでそれは勝手にしてくれたらいいのですが、徐々にわが家に来る頻度が増えていき、毎日いるようになりました。
そして、最悪なのが義父は明るい時間にお風呂に入ることです。義父のために夕方前にお風呂の用意をして、そこからもう一度お風呂の掃除をして私たちが入る準備をしなければいけません。申し訳ないですが、同じ湯は無理です。義父は長風呂でお風呂に浸かりながら体をこすっているのかお湯が汚くて……。手袋と持ち手の長い掃除道具じゃないと洗いたくもないほど、気持ち悪いのです」
夕食もほぼ毎日用意しないといけなくなり、さらには宿泊する日も増えていったことで友美さんのストレスも限界に。旦那さまに相談しようと話し合いの時間を持つものの、味方になってくれるのではなく、「寂しい気持ちをわかってやれよ」と窘められます。
「毎日長時間わが家にいて、家にそのまま泊まる日も増えてきているのに、一緒に暮らしていないから生活費は一切もらっていません。私はどうしても義父に合鍵は渡したくなくて、渡してないからこそ義父は来る前に私に連絡してくるのですが、その時間に家にいないといけないのも苦痛で。『その時間は無理です』と伝えたこともあるのですが、そうしたら前日から泊まっていく始末……。もう限界です。
夫に相談しても『お前が一緒に暮らしたくないというからこうなった』と。『母さんが亡くなって寂しいだけで、今だけだから』とも言いますが、もう3年ですよ。まだ子どもも小さいから考えたくないけれど、離婚の二文字が過ります」
配偶者に先立たれたとき、女性よりも男性のほうが立ち直りが遅いと言われています。実際に子ども側の立場からも、母親を1人にするよりも父親を1人にするほうが不安に感じるという意見を多く聞きます。とはいっても友美さんの義父はまだ50代。随分と早めに向き合うことになりそうな親の老後問題に離婚がチラつくのは仕方ないのかもしれません。友美さんが訴えるように「夫の協力なしに今後義父の行動が改善されることは考えにくい」のですから。
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。