妻の過去と、抱えていた闇
ラブホテルから妻が出てきたのは、1時間半後。足早に駅へと向かい、自宅へ。小走り状態でした。依頼者・俊夫さんが先に帰っている雰囲気を察すると、外置きの物置から、袋を出し、物陰に隠れてそれまで来ていた服から普段着に着替えていました。そして、それまで来ていた服を物置へ。そしてさも近所から帰って来たばかりのような雰囲気で、家に入って行ったのです。
以上を報告すると、俊夫さんはショックを隠し切れない様子でした。顔色が蒼白になり、血の気が引いていく。
「この店は、なんなんですかね。そしてこの男は……」と息を吞んでいます。
そして「妻と話し合います。彼女に何があったかを知り、受け止めてから将来を考えます」と帰宅されました。
そして、その夜、俊夫さんから連絡があり、「妻からすべてを聞き、妻は離婚すると言っています」と悲痛な声で話していました。
聞けば、妻のかつての離婚原因は、パチンコに依存して育児放棄をしたことだったのです。それからも、「ダメなことだ」と思いながらも、麻雀やパチンコなどギャンブルがやめられなかった。それが原因で、定職にもつきにくかったようです。
結婚する前から、なんとなくギャンブル欲がおさまり、ギャンブルとは離れた穏やかな生活を続けられた。でも1年もするとうずうずとしてきて、昔の仲間に誘われるまま、麻雀を始めてしまったとか。
「男性はギャンブル仲間で、妻のことが好きだったようです。そして、妻が負けて掛け金が払えなかったら、体で払うと取り決めをしたそうです。この半年間に、妻の負けた総額は70万円だそうです」
結局、この調査の後、俊夫さんは男性と話し合い、お金を清算し、妻と別れてもらう交渉をしたそうです。妻は心理カウンセラーに通い、依存を克服するために頑張っているそう。
「私のために頑張ると言ってくれました。それにつけても、妻みたいにステキな人が、なんでずっと独身なんだろうと思っていましたが、こういうことがあったからなんですね。これからも、妻と一緒に生きていきたいと思います」
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/