関係が近いからこそ、実態が見えなくなる家族の問題。親は高齢化し、子や孫は成長して何らかの闇を抱えていく。愛憎が交差する関係だからこそ、核心が見えない。探偵・山村佳子は「ここ数年、肉親を対象とした調査が激増しています」と語る。この連載では、探偵調査でわかった「家族の真実」について、紹介していく。

***

今回の依頼者は、パート勤務をしている洋子さん(63歳・仮名)です。5年前に前の夫と死別し、2年前に今の夫と再婚。出会いは結婚相談所でした。この2年間さまざまなモラハラや行動を制限させられ、限界を迎えていたところに夫の浮気疑惑が持ち上がります。

【これまでの経緯は前編で】

早朝のゴルフ練習場で行われていたこと

ここ最近は、朝6時の食事を終えると、出勤してしまうとのことでした。より、万全に浮気の証拠を押さえるためにも、夫が出張するという日を狙うとベターだとアドバイスしました。

すると相談の10日後に地方出張があったために、その日を狙って張り込み開始。

夫は「地方に出張に行く」とだけ言い、どこに行くかは言わないといいます。洋子さんも夫がいなければホッとするのでそれ以上は聞かない。

朝、7時に家から出てきた夫を追います。67歳とは思えないくらい背がスッと伸びていて若々しい。自宅近くのガレージのクルマ(ドイツ車)を走らせ高速に乗り24時間営業のゴルフ練習場へ。

コロナになってからゴルフ練習場デートは増えています。私たちも一応、ゴルフの基礎はできるので、練習をしながら尾行を続けます。夫はかなりゴルフがうまく、フォームも美しいです。

20分くらいすると、40代半ばと思しき妖艶な女性が近くに来て、「久しぶり」と手をひらひらさせています。そして、夫は「おお!」という感じで、手取り足取り女性にゴルフレッスン。かなりきわどいところもボディタッチをしていましたが、これは浮気の証拠にならない。

そのうちに女性の方が盛り上がったのか、夫にしなだれかかり始め、まんざらでもない夫は女性と手を繋いでクルマへ。クルマは意外と音がもれますので、会話から2人が体のつながりの友達であること。女性がホステスであることがわかり、これも“営業”のうちと判断できてしまいます。

そして、明らかにそれとわかる車内での音声をとりました。

【本命は別にいた…次のページへ続きます】

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