関係が近いからこそ、実態が見えなくなる家族の問題。親は高齢化し、子や孫は成長して何らかの闇を抱えていく。愛憎が交差する関係だからこそ、核心が見えない。探偵・山村佳子は「ここ数年、肉親を対象とした調査が激増しています」と語る。この連載では、探偵調査でわかった「家族の真実」について、紹介していく。
***
今回の依頼者は中村佳恵さん(仮名・55歳)。九州地方で会社経営をしている女性です。現在19歳のお嬢様が、1週間以上音信不通になっているとのことで、私達に調査を依頼されました。
【調査までの経緯は前編で】
コンビニとホストクラブ周辺で聞き込み調査
ひとまず、お嬢様が住んでいる自宅マンション近辺で張り込みを開始。
数日間張っていましたが、出入りの様子が全くない。そこで、コンビニの店員さんに写真を見せても「よくわからない」との返事。マスクをしていても目立つ美少女であり、母・佳恵さんの話では、「全く料理をしないので、コンビニでゴハンを買っている」とのことだったので、特定はできるだろうと思っていましたが、空振りでした。
そして、娘さんの歴代の彼を調査。中でも直近に交際していたホストの男性にピンときたので、退勤するところを狙って張り込み。
ホストクラブはコロナ禍でも盛況らしく、なかなか退勤しない。私たちは夜中に張り込みを開始すれば、そのうち出てくるだろう……と思っていたら、彼が出てきたのは昼過ぎ。
タクシーを拾うと、早稲田方面にある高級マンションに入って行きました。そこからカジュアルな服に着替えて出てきたところをキャッチ。
経緯を説明すると「ああ、あの子ね。彼女は、オンラインサロンっていうの? あれにハマってもうカブキ(歌舞伎町)には来ていないよ」と。オンラインサロンの内容と主催者のことを聞くと「知らない」とのこと。しかし、思い出していただき、何とか主催者を特定。
「すっごいハマっていて……僕、あの子はヤバいと思うよ。ハマったら一直線だから」と言っていました。聞けば、交際している間、お嬢様は客として店に行き、一晩で50万円分のシャンパンを抜き、彼の売り上げに貢献。さらには、高級ブランドのバッグをプレゼントするなどしていたとか。
【「ありのままの自分で自信を持って生きる」を標榜するサロン主催者……。次ページに続きます】