終活

「終活」という言葉を目にする機会が、年々増えてきています。特に近年は、社会全体で健康についての不安が高まり、さらに自分の周りを見直す時間が増えたことにより、「終活」があらためて注目されています。今回は「終活」について、専門家としての見地も踏まえつつ、簡潔にお伝えしていきます。

目次
終活とは
終活を始める時期
終活やることリスト
まとめ

終活とは

終活とは、人生の終盤に自身の最後とその後のことについて、事前に考えておくこと、行動しておくことを指します。事前に準備をしておくことにより、残される家族や親族、知人などの負担や混乱を少なくすることにも繋がります。人生の終盤で抱える様々な不安のなかで、実際によくご相談いただくお悩みは下記のような内容が多くなっています。

「健康に関すること」
「お金の管理に関すること」
「認知症への対策」
「どんな最期を迎えたいか」
「死んだ後の自分の資産がどうなるのか」
「自分が死んだ後の手続きは誰に託すべきか」 

終活を始める時期

終活を意識するきっかけやタイミングは人それぞれですが、実際に終活をしてみることにより、気づくことがたくさんあります。

終活を始めるタイミング

一般的に終活というと、70代・80代といった世代をイメージしがちです。しかし、それより下の世代でも、終活を意識するきっかけはあります。例えば、40代・50代になってくると、学生時代の友人が亡くなったという知らせに驚くことがあるかもしれません。そういった身近な人の死に直面することで、自分の終活を意識する契機にもなるのです。

また、テレビやニュースで自分と近い世代や、まだ若い著名人の訃報を耳にすることで、何かしら自分にも反映させ、ふと自身の終活を意識することもあるでしょう。

早めに準備するメリット

実は40代・50代から、これから迎える自分のエンディングを意識することで、今を大切に生きることの意義を見出すきっかけになることも。終活は早ければ早いほど、いろいろな気づきがあるのです。

「身の回りを整理してみよう」
「友人関係の棚卸しをしてみよう」
「これからのお金のことを考えてみよう」
「夫婦・家族・親戚関係について考えてみよう」

など、いろいろなことを整理してみると、意外と気持ちがスッキリしたり、毎日の生活を前向きに過ごせたりすることにも繋がります。

さらに、40代・50代というと、ちょうどその親世代が70代・80代を迎えている年代です。自分の体験を通じて、親世代の終活についても、親身になって考えることができる重要なタイミングでもあるのです。

親の終活にも関わることで、親世代が大切に思っていることを知る機会にもなり得ます。例えば、親の交友関係などを知ることにより、感謝の気持ちが芽生えるといったこともあるかもしれません。これもまた、自身の終活に負けず劣らず意義のあることでしょう。

終活やることリスト

終活は誰しも経験のないこと。しかもひとりの人生のうちに何度も行うことではないため、戸惑うことも少なくありません。どんなことをしなければならないのか、早めに始めるメリットなど、事前に抑えておくことが大切です。そうすれば、全員が初心者としてスタートする終活を、ある程度スムーズに進めることができるでしょう。

蓮の花

一般的な終活

一般的な終活としてやるべきこととしては、下記のことが挙げられるでしょう。箇条書きにしてお伝えいたします。

・自分についての記録の整理
・親族や知人などとの関係の整理
・いざというときの準備1(介護)
・いざというときの準備2(医療)
・いざというときの準備3(認知症)
・いざというときの準備4(遺言書)
・財産についての整理1(不動産)
・財産についての整理2(現金・銀行預金)
・財産についての整理3(株式・投資信託)
・財産についての整理4(保険)
・生前の見積もり1(葬儀・法事)
・生前の見積もり2(墓、墓じまい)
・生前の見積もり3(遺品整理)
・会員サービスの整理
・デジタル終活(SNSのアカウントなど)

今からできる終活

終活の分野は幅広いものです。全体を見渡すとなると、なかなか手をつけにくいイメージがあるかもしれません。しかしながら、大切なのはどの分野からでもよいので、まずスタートさせること。

例えば、エンディングノートなども豊富に市販されています。入り口としては、そういったものをパラパラとめくり、気になったページから考えてみるという程度でよいのです。

終活は実際にやってみると、それなりにエネルギーの必要な分野もあります。年を重ねると気力・体力が低下していくのは避けられませんので、少しでも余裕のある40代・50代から手掛けておくことは、大きなメリットになるでしょう。

また、終活の延長線上で生じる法律上の手続きなどは、自分でしっかりと判断できる「意思能力」が求められるものがほとんどです。実際に、判断力についての不安が日に日に大きくなってきてからのスタートでは、間に合わなかったというケースもあるため注意が必要です。

さらに、終活で「亡くなったらどうするか」に目を向けすぎて、「楽しく長生きするにはどうするか」が軽視されてしまっては、本末転倒。これからの人生を楽しく長く生きていくために、大切な人間関係やコストのことも忘れないようにしましょう。

まとめ

終活について簡単にご紹介してきました。終活は70代や80代の方に限定された活動ではありません。終活を意識することで、いろいろな感謝の気持ちが生まれます。“大切な人”、“大切なもの”、“大切な想い”を再認識することで、人生を前向きに送っていくきっかけにもなり得ます。考えることは多岐にわたりますが、どこからスタートしても構いません。早く始めるメリットも少なくはないのです。ぜひ、ご興味のある分野から取り組みを進めてみてはいかがでしょうか。

構成・編集/末原美裕・内藤知夏(京都メディアライン・http://kyotomedialine.com

●取材協力/坂西 涼(さかにし りょう)

sakanishi

司法書士法人おおさか法務事務所 後見信託センター長/司法書士
東京・大阪を中心に、シニア向けに成年後見や家族信託、遺言などの法務を軸とした財産管理業務専門チームを結成するリーガルファームの、成年後見部門の役員司法書士。
「法人で後見人を務める」という長期に安定したサポートの提唱を草分け的存在としてスタート、
全国でも類をみない延べ450名以上の認知症関連のサポート実績がある。認知症の方々のリアルな生活と、多業種連携による社会的支援のニーズを、様々な機会で発信している。日経相続・事業承継セミナー、介護医療業界向けの研修会など、講師も多く担当。

司法書士法人おおさか法務事務所(http://olao.jp

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