相続手続きの準備をしていた方は2割以下という結果に!

ご両親の相続手続きについて準備をしていますか?

まだ相続手続きの話は関係ないと思っている方もいるかもしれません。

実は、相続手続きには不動産や株式の名義変更、遺言書の作成依頼、必要書類の用意など、ご両親の生前中に準備しておくべきことが数多くあります。

相続手続きについて何も準備していないと、いざという時に決めないといけないことや、やらなければならないことが多く出てきてしまい、期限に追われて混乱を招いてしまう恐れがあります。

事前に準備するべきか悩んでいる方や、元々生前中の準備を考えていた方は、実際にどのような準備をしておけば良いのか、しっかりと準備をしている方がどのくらいいるのか気になりませんか?

そこで今回、『千葉遺産相続手続き・遺言相談所』を運営するひまわり司法書士法人(https://chiba-souzoku.com/)が実施した、相続経験者と相続未経験者を対象に、相続手続きに関する調査をご紹介しましょう。

【相続経験者から聞いた!】相続手続きで最も大変だったことは名義変更と判明!?

始めに、相続経験者の中で、どのくらいの方が相続手続きの事前準備をしていたのか伺ってみました。

「相続手続きの事前準備をしていましたか?」と質問したところ、8割以上の方が『していなかった(81.4%)』と回答しました。多くの方が相続手続きの事前準備をしていなかったようです。

続いて、相続手続きで大変だったことを伺っていきましょう。
「相続手続きに関して大変だったことを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『不動産・株式などの名義変更(33.0%)』と回答した方が最も多く、次いで『戸籍収集(26.9%)』『相続手続きに関する必要書類の作成(23.0%)』『相続に掛かる税金の申告・納付(18.6%)』『相続財産の調査(12.8%)』と続き、その他にも『遺産分割による家族トラブル(11.3%)』『司法書士・税理士などの専門家選び(11.1%)』『相続手続き期限までの対応(9.3%)』『遺言書の確認(3.3%)』と判明しました。

不動産や株式の名義変更、相続手続きに必要な書類の用意など平日に役所へ取りに行く時間を割かなければならなかったり、専門知識が必要だったりと時間が掛かる手続きは多いです。
そのため、相続手続きは事前準備が大切だと予想されます。

では、大変だと感じた理由について聞いていきましょう。

相続手続きって思っていた以上に大変…

・「被相続人所有の不動産金融資産は生前に聞いて大体把握していたが、細かいところまで調べたり、意外な資産が発見されたりして大変だった」(60代/男性/無職)
・「亡くなって数ヶ月以内に相続手続きをしなければならないことを知らず、大変でした」(60代/女性/専業主婦)
・「被相続人の本籍地が数箇所変更があったため、あちこちの役所とやり取りをしなくてはならなかった」(60代/女性/専業主婦)
・「実家が遠方であったため、調査や必要書類集め、登記など自分一人でやったので大変だった」(60代/女性/無職)

などの回答が寄せられました。

不動産の相続手続きによる名義変更を行うためには、亡くなった方すべての戸籍書類に加え、相続人や場合によっては、その他の親族まで戸籍書類を取得する必要があります。

明治時代や大正時代、場合によっては慶応、元治の年号の戸籍まで取得しなければなりません。

見慣れていないと、そもそも「何て書いてあるか分からない」ということもあります。
また、昔の戸籍書類は当時の役人により、とても達筆に毛筆で書かれている場合もあるようです。
解読できる自信はありますか?

そのようなことから、多くの時間や体力を使ってしまいやすく、大変に感じてしまうのかもしれません。
また、相続手続きには期限が設けられているものもあるため注意しましょう。

9割以上の方が親からの遺言書が残っていなかったと回答!

先程の調査で、相続手続きの大変だったことが明らかになりました。

相続手続きを開始した場合、遺言書の有無を確認する必要があります。
なぜなら、遺言書があると、相続手続きがスムーズに進みやすくなるからです。

では、相続経験者のご両親は、遺言書を残していたのでしょうか?

「あなたの親は遺言書を残していましたか?」と質問したところ、9割以上の方が『いいえ(91.3%)』と回答しました。

相続手続きする上で、遺言書の有無の確認は重要です。
遺言書があることで、相続人同士のトラブルが回避できたり、遺産分割協議を省略できますので、スムーズになったりすることがあります。
相続手続きの事前準備をする上で、ご両親に遺言書の確認をしておくと良いかもしれません。

早めにしておけばよかった…相続手続きの事前準備をしなかったことで困ったこととは?
先程の調査で、遺言書は残されていなかったと回答した方が多いと判明しました。
「遺言書や戸籍収集など事前準備をしておけば…」など実際に相続手続きの大変だった経験が多くあったと思います。

では、事前準備をしていたら、どのようなことを防げたのでしょうか?

相続手続きの事前準備をしておけば…

・「感情のぶつかり合いになり手続きがスムーズに進まなかった」(50代/女性/パート・アルバイト)
・「引っ越しを何回かしていたので 前に住んでいた場所の役所に行かなければいけないこと」(50代/女性/専業主婦)
・「いろいろな金融機関に行って、亡くなった本人名義の口座がなかったか確認の必要があった」(50代/男性/無職)
・「凍結された銀行口座を整理するため必要な書類を集めるのが大変でした」(60代/男性/自営業)

などの回答が寄せられました

相続手続きは、期限があるものや、専門知識を要するものなど、時間と体力を使わなければならないことが多いです。
将来、混乱を招かないためにも、相続に関する専門家の選定や、必要書類集め、相続手続きの代行サービスを探しておくなどの事前準備をしておく必要があるかもしれません。

【相続未経験者が回答】相続手続きの準備をしていない方が8割以上もいる!

ここまでの調査で相続経験者に、相続手続きについて聞いてきました。
ここからは、相続未経験者に調査していきたいと思います。

相続未経験者は、相続手続きに対してどのようなことをしているのでしょうか?

「親族間で相続手続きの話はしていますか?」と質問したところ、8割以上の方が『していない(83.7%)』と回答しました。

相続手続きについて、親族間で話題に出しづらかったり、まだ大丈夫だろうと思ったりすることから話し合いができていないのかもしれません。

しかし、話し合いはできていなくとも、不動産や株などの財産の洗い出しや、保険証券の保管場所の確認など、準備できることは多くあります。
では実際に、相続手続きに関して準備や対策をしているのか聞いてみました。

「相続手続きに関して準備や対策はしていますか?」と質問したところ、9割以上の方が『いいえ(90.8%)』と回答しました。

多くの相続未経験者が、相続の準備や対策をしていないようです。

それでは、相続手続きの準備をしている方はどのようなことをしているのでしょうか?

相続手続きで困らないために準備していることとは!

・「兄弟の間で何をどのように分けるかの話し合い」(50代/男性/自営業)
・「両親名義の預金を、子どもに当たる姉妹名義に移した」(50代/男性/会社員)
・「いくつかの選択肢を想定してその後、必要になる可能性がある費用を予測して準備している」(60代/男性/自営業)
・「登記簿、公図の取得 遺産分割協議書のひな型を取得」(60代/男性/無職)

などの回答が寄せられました。

ご家族が急逝してしまった場合、葬儀や告別式などの取り決めなど相続手続き以外にもやるべきことが多くあります。
いざという時に備えて、事前準備をしておくのも大切ですね。

【相続未経験者が思う】相続手続きについての不安なこと1位は税金の申告・納付

相続未経験者の多くが親族間で話し合いをしておらず、準備や対策をしていないと判明しました。

続いて、相続手続きについて不安に思うことは何なのか聞いてみました。

「相続手続きについて不安に思うことは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、『相続に掛かる税金の申告・納付をできるか(26.8%)』と回答した方が最も多く、次いで『遺産分割による家族トラブルが起きないか(25.9%)』『不動産や株式などの名義変更をできるか(19.8%)』『相続手続きに関する必要書類の作成をできるか(18.5%)』『信頼できる司法書士・税理士などの専門家を選べるか(13.0%)』と続き、その他にも『相続手続き期限までに対応できるか(12.5%)』『相続財産の調査を停滞なく進めるか(11.1%)』『遺言書を残してくれるか(8.9%)』『戸籍を集めることができるか(5.8%)』と判明しました。

相続に掛かる税金の申告や納付、遺産分割による家族トラブルなどの金銭面の不安を感じる方が多いようです。
例えば、相続税を納付する場合、原則現金一括で払わなければなりません。
そのため、相続税が多く掛かることを予想しておき、現金の準備をしておくなど様々な状況に応じた対策が必要です。

続いて、相続手続きの不安について具体的な理由を聞いてみました。

相続手続きについての不安とは?

・「物理的な距離が離れていることもあり、あまり時間や費用も掛けられないという制約の中でスムーズかつタイムリーに必要な手続きが進められるか不透明」(60代/男性/自営業)
・「口座閉鎖手続きなどは終えた物の名義人変更などがまだ 法人に関しても不明」(50代/男性/自営業)
・「地域的にばらばらに住んでいるので、集まって話し合うのが大変」(60代/男性/会社員)
・「親が亡くなった時に、財産放棄の約束を 反故にしないか」(50代/男性/会社員)

などの回答が寄せられました。

働いていたり、遠方に住んでいたりすると、中々時間が取れず、相続手続きに困惑してしまう可能性があるので、不安に感じる方は準備や対策を見つけましょう。

混乱を避けるためにも“相続手続き”の準備を始めましょう!

相続経験者の8割以上が相続手続きの事前準備をしておらず、不動産・株式の名義変更であったり、必要書類を揃えたりなど大変だった経験があるようです。

いざという時に困らないためにも、相続経験者の意見を参考に、相続手続きの準備や対策をしておいたほうが良いかもしれません。

また、相続未経験者の8割以上は、親族間で相続手続きの話ができていないことがわかり、相続手続きの準備の実態も明らかになりました。

「相続に掛かる税金の申告や納付ができるか」「不動産や株などの名義変更ができるか」などの不安があるものの、何から始めれば良いかわからないのかもしれません。

そのような悩みを抱える方は、万が一の事態に備えて、司法書士や税理士などの専門家に相談し、代行をしてもらうなどの対策をしておくことで、混乱を避けることができるかもしれません。

今までご両親の相続手続きについて深く考えてこなかった方は、事前準備や対策について考えてみてはいかがでしょうか?

調査概要:相続手続きに関する調査
【調査日】2020年8月6日(木)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,122人(相続経験者569人/相続未経験者553人)
【調査対象】相続経験者/相続未経験者
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ

 

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