取材・文/沢木文

親は「普通に育てたつもりなのに」と考えていても、子どもは「親のせいで不幸になった」ととらえる親子が増えている。本連載では、ロストジェネレーション世代(1970代~80年代前半生まれ)のロスジェネの子どもがいる親、もしくは当事者に話を伺い、 “8050問題” へつながる家族の貧困と親子問題の根幹を探っていく。

* * *

元公務員で都内在住の山口嘉之さん(仮名・70歳)は、娘(40歳)について頭を抱えている。娘は外国人男性に貢いでしまうことが多く、今までに1000万円以上持っていかれてしまっているのだという。

【これまでの経緯は~その1~で】

娘は“一度も会ったことがない外国人男性”に金を貢ぐ

嘉之さんは、「児孫のために美田を買わず」(子や孫に財産を残さない)という考え方の持ち主だ。

「私の父の教えです。父は亡くなった時に、子供たちに一切の財産を残さなかった。財産を残そうとすると、自分の仕事がおろそかになる。そして、子供を甘やかすと、その子のためにもならない。だから、財産は残さない。私はある程度、老後生活のお金がわかったので、クラウドファンディングや子供の教育を支える団体に、寄付をし続けていたんです。優秀な子供たちが世に出てほしいという願いでもあります。しかし、娘が金を借りるほどになってしまうと、話は別。他人様に迷惑をかけては申し訳ないので、娘の始末料を確保するためにも、寄付をストップしました」

ところで、娘はなぜ、何度も詐欺被害に遭ってしまうのだろうか。

「おそらく、“かわいそうな人”が好きなんだと思います。かつて1000万円以上貢いだ外国人男性は、必死で日本語を覚えながら、日本の大学で学んでいるという人だった。今回の男性も、“持続可能な社会を作るための未来の通貨”というような触れ込みで、娘から金を引っ張って行ったと考えています」

その手口を聞くと、詐欺の定番のやり口だった。最初は「お金が無くなったから5万円貸してほしい」などと言い、その3日後に6万円を娘の口座に振り込む。その1週間後に「10万円を貸してほしい」と言い、その翌日に11万円を振り込む。そんなやりとりを何度も続けて、相手を信頼させたところで、100万円、200万円と額を増やしていき、気づけば音信不通になっている。

「自分でも詐欺だと気づかないし、気づいても恥だから誰にも相談しない。それに、相手は外国人だ。100万円程度の個人の被害額に、海外の警察が動くとも思えない。しかも、娘の場合は“一度も会ったことがない男”に貢いでいる。そのせいで、妻が娘に残した300万円がなくなっていたんです」

【会ったことがないのに、SNSのやり取りだけで好きになってしまう……。次ページに続きます】

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