取材・文/ふじのあやこ

離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ

今回お話を伺った明子さん(仮名・42歳)は、32歳のときにお見合いで今の旦那さまと出会い、現在は、兵庫県内で子どもと三人で暮らしています。明子さんは両親と4歳下に妹のいる4人家族。旦那さまと出会って半年で結婚を決めて、義両親への挨拶では歓迎してもらえたものの、旦那さまへの態度に少し違和感を覚えたとか。

「自分の子を、外でわざと卑下し謙遜する文化は特に関西ではあると思います。でもそれは、外で褒められたときにする行為というか、自分から言い出すものなのかなって。私は何も言っていないのに、『この子は昔から何もできなかった』とまるで夫のすべてを否定しているように聞こえました」

育った環境の違いから戸惑うこともあったものの、今は立派な父親に

結婚までの交際期間は半年。お互い実家暮らしということもあり、生活では戸惑うことも多かったと言います。

「私の家は、祖父母のお世話で母親が忙しかったこともあり、料理や掃除などの家事は、実家暮らしでしたが、ある程度はできました。一方の夫はまったくできなかったんですが、自分もやろうという意志を持ってくれていたので、家事に関しては特に揉めることはありませんでした。

でも、夫の普段の行いには戸惑うことばかりでした。例えば、夫はまずトイレに入ったら水を流すクセがあるのか、一度流してタンクに水がたまる前にもう一度流すので、最後が流しきれていないことが多くて。それに、トイレ後に手を洗わないことも嫌ですね。

他にも些細なことかもしれませんが、靴やスリッパの向きを変えることはないし、洗面台がちゃんとあるのにキッチンで歯を磨いたり、寝ぐせを治すために髪を濡らすのですがそれもキッチンで……。ちゃんと私とバッティングしない時間を選んでくれるのですが、食器を洗うときなどに髪の毛が落ちていることがあって……。何度注意しても直してくれないんです」

育った環境の違う他人と暮らすことのストレスは、誰にでもあることと言い聞かせ大きなケンカに発展することはなかったそう。結婚して半年ほどで明子さんは妊娠、無事出産します。旦那さまは子育てにとても協力的だったそうで、結果論として、結婚してとても良かったと振り返ります。

「とても子煩悩で、あまり仕事に意欲的ではない分(苦笑)、早くに帰宅して子どもの側をずっと離れないような父親になりました。こういう点も、結婚してから一緒に子供を育ててからじゃないと知れなかったこと。ここができると他の多少のことは目をつむれるようになりました(笑)」

【子どもの前で夫を非難する義両親。次ページに続きます】

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