自殺者を減らすために、私たちができることとは?

最近、有名芸能人の自殺やSNS等の誹謗中傷による自殺など悲しいニュースが相次いで報道されています。
9月の自殺者数は1,805名(※1)と公表されており、日本が抱える社会的な問題の1つと言えるでしょう。

そのため、みなさんも

「生きるという選択肢は無かったのだろうか」
「なぜ自殺をしてしまうのだろうか」

と、自殺について何か思ったことがあるのではないでしょうか?

自殺をする理由は、本人にしかわからないと思います。

本人が抱えている痛みや苦しみを、解決する手段があれば、違った未来が待っていたかもしれません。

では、私たちが自殺を防止するためには何ができるのか、自殺を考えてしまった理由は何なのでしょうか?

そこで今回、株式会社GoodService(https://www.kataduke-kaitori.com/)は、25歳~59歳の有職者を対象に、自殺に関する調査を実施しました。

(※1)警視庁によるデータを参照:https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R02/202009sokuhouti.pdf

最近の自殺関連のニュースを聞いて感じたこととは?

はじめに、最近ショックを受けた自殺関連のニュースについて伺っていきましょう。

「最近1番ショックだった自殺関連のニュースを教えてください」と質問したところ、『芸能人の自殺のニュース(67.2%)』と回答した方が最も多く、次いで『SNS等の誹謗中傷による自殺のニュース(10.9%)』『若者世代の自殺者が増えているというニュース(10.0%)』『景気と自殺が比例するというニュース(6.2%)』『自殺防止対策の相談窓口に電話が繋がらないというニュース(2.9%)』と続きました。

芸能人の自殺という訃報に心を痛めた方が多いようです。
その他にも、自殺関連のニュースは多くあり、みなさんも思うところがあったかと思います。

では、最近の自殺関連のニュースを聞いて何を感じたのでしょうか?

「最近の自殺関連のニュースを聞いてご自身が感じたことや考えを教えてください(複数選択可)」と質問したところ、『自殺者がさらに増えてしまうのではないかと思った(40.8%)』『生きるという選択肢は無かったのだろうかと思った(40.8%)』『自殺をした理由を知りたいと思った(29.0%)』『悲しい報道はもうこりごりだと思った(19.5%)』『簡単に自殺をするなと思った(17.2%)』『また誰かが自殺をしたのかと思った(13.3%)』と続きました。

自殺は新たな自殺を生んでしまう可能性があると言われています。
自殺をしようと考えている方がニュースを見た時、自分も楽になりたいなどの理由から自殺者が増えてしまうのかもしれません。

7割以上の方が“新型コロナウイルスが自殺に影響している”と思っている!

有名芸能人の自殺や、SNS等の誹謗中傷による自殺などのニュースがありますが、中には新型コロナウイルスが自殺に影響しているといったニュースもあります。

みなさんの中にも、「新型コロナウイルスが自殺に影響しているのでは?」と思った方もいるかもしれません。

では、新型コロナウイルスが自殺に影響していると思う方はどのくらいいるのでしょうか?

「新型コロナウイルスが自殺に影響していると思いますか?」と質問したところ、7割以上の方が『はい(73.8%)』と回答しました。

新型コロナウイルスが自殺に影響していると考える方が多いとわかりましたが、その理由は何なのでしょうか?

■新型コロナウイルスが自殺に影響していると思う理由は?
・生活環境が変わったことにより、ストレスや孤独を感じる方もいると思うので(30代/女性/会社員)
・閉塞感が漂う世の中の雰囲気があるから(40代/男性/会社員)
・人と人とのコミュニケーションが希薄になってしまったので(40代/男性/会社員)
・景気が悪くなり、今後の状況が見通せないから(40代/男性/会社員)
・仕事が無くなってしまった不安とともに考える時間も増えてしまうので(50代/男性/会社員)

などの回答が寄せられました。

仕事を失ったことによる将来への不安や、コミュニケーション不足による孤独感の増加など、新型コロナウイルスは自殺に何かしらの影響を与えているのかもしれません。

3割以上の方が自殺を考えたことがあると回答

ここまでの調査で、最近の自殺関連のニュースについて、みなさんの感じたことや考えが明らかになりました。

最近の自殺関連のニュースを聞いて、「死」を身近に感じた方も多いと思います。
もしかすると、周りにも自殺を考えたことがある方がいるかもしれません。

では、どのくらいの方が自殺を考えたことがあるのでしょうか?

「あなたは自殺を考えたことがありますか?」と質問したところ、約3人に1人が『はい(31.6%)』と回答しました。

自殺を考えたことがある方は、予想以上に多いと感じた方もいると思います。
「どうして自殺を考えるのか」「何が辛かったのか」と知りたいと思った方もいるのではないでしょうか?

そこで、「自殺を考えた理由を教えてください(複数選択可)」と質問したところ、『仕事へのストレスが大きかったため(37.3%)』と回答した方が最も多く、次いで『全てがどうでもよくなってしまったため(34.2%)』『人間関係が悪化したため(32.8%)』『孤独であったため(22.3%)』『学校や職場でいじめを受けたため(16.4%)』と続きました。

仕事が原因のストレスは、過労や周りからの不当な評価、上司からのハラスメントなど様々あると思います。
そのようなストレスが原因で、通勤途中の線路に身を投げてしまう会社員もいるかもしれません。

自殺を考えてしまう理由が明らかになりましたが、自殺を思いとどまった理由は何なのでしょうか?

■自殺を思いとどまった理由は?
・家族を守っていかなければならないため(40代/男性/会社員)
・明日は良いことがあるかもと前向きに考えたから (40代/女性/自営業)
・心理指導によるカウンセリングで立ち直れたため(40代/男性/自営業)
・無理をしないでよく休み、よく寝たため(40代/男性/会社員)
・やりたいことがあったため、死ぬわけにはいかないと思った(50代/男性/会社員)

などの回答が寄せられました。

自殺という選択肢を取らないためには、自分が守りたいものや、やりたいことなどを見つけ、思い詰めてしまうほど無理をしないことが大切なのかもしれません。

自殺者を減らすために私たちができることとは?

自殺を考えたことがある方の割合が明らかになりました。
約3人に1人が自殺を考えたことがあると判明し、みなさんの周りでも自殺という悲しい出来事が起きてしまう可能性も0ではないと思います。
自殺が起きてしまうことで、みなさんにも何かしらの影響があるかもしれません。

では、自殺が周りの方にどのような影響を及ぼすと思うか伺っていきましょう。

「自殺が周りの方に及ぼすと思う影響を教えてください(複数選択可)」と質問したところ、『残された遺族や友人の心に傷が残ること(62.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『自殺が連鎖してしまうこと(45.6%)』『止められなかったという自責の念に駆られること(30.9%)』『どうして止めなかったんだという批判が起こること(14.3%)』『遺体の処理を頼まなければならないこと(14.2%)』『葬式などの費用が掛かること(11.7%)』と続きました。

自殺は周りの方に様々な影響を与えると思います。
現実を受け入れることができなかったり、自責の念に駆られてしまったりするかもしれません。

もし、大好きな友人や家族が自殺をしてしまったら、あなたはどう感じますか?

「立ち直ることができない」「苦しい日々が続く」など感じることが多くあると思います。
そのような悲しい経験をしないためにも、私たちが自殺者を減らすために何ができるのでしょうか?

「自殺者を減らすために私たちができることは何だと思いますか?(複数選択可)」と質問したところ、『サインを見逃さない(54.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『相談しやすい環境を作る(44.9%)』『誹謗中傷をしない(44.3%)』『自殺を予防するための知識を発信していく(17.8%)』『相談窓口を把握しておく』『言葉遣いに気を付ける(14.8%)』と続きました。

自殺を考えている方は、いつもと異なる行動を取ったり、口数が減ったりするなど小さなサインを出しているかもしれません。

みなさんができる行動は十人十色だと思います。
ご自身の思う方法を行動に移すことが大切なのかもしれません。

最後に、自殺を考えている方に伝えたいことを伺いました。

■今自殺を考えている方に一言があれば教えてください
・誰でもいいから誰かに悩みを相談してみて欲しい(20代/女性/会社員)
・別の道は思っているよりもたくさんある(30代/女性/会社員)
・頑張りすぎない (40代/男性/会社員)
・気楽に生きよう(40代/男性/会社員)
・辛い悩みがあれば、投げやりにならず、あきらめずに「いのちの電話相談」などを活用してほしい(50代/男性/会社員)

などの回答が寄せられました。

生きていく上で、辛いことや逃げ出したくなるようなことは、何度もやってくると思います。
今は、自殺を考えていなくても、自殺が頭をよぎってしまうような出来事が起きてしまうかもしれません。
その時に、自殺をするのではなく、生きるという選択肢を持っておくことが大切だと思います。
日頃から、友人や家族と過ごす時間を作る、新たな趣味や生きがいを見つけるなど、様々な選択肢を用意しておいてはいかがでしょうか?

自殺をしてしまう理由を理解し、自分たちにできる行動を考えてみてはいかがでしょうか?
今回の調査で、最近の自殺のニュースを聞いて、みなさんの感じたことや考えが明らかになりました。
7割以上の方は、コミュニケーション不足や将来への不安などを理由に、新型コロナウイルスが最近の自殺に影響していると考えているようです。

また、3割以上の方が自殺を考えたことがあると回答しており、人間関係の悪化や仕事へのストレスが原因で自殺を考えてしまう方もいるようです。

思いとどまった理由として、「家族を守るため」や「やりたいことがあったため」などが挙げられました。

自殺者を減らすためには、みなさん一人ひとりの行動や気遣いが大切だと思います。

悲しい出来事が起こらないよう、自分にできる行動は何なのかを考えてみてはいかがでしょうか?

調査概要:自殺に関する調査
【調査日】2020年10月20日(火)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,122人
【調査対象】25歳~59歳の有職者
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ

 

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