取材・文/沢木文

お話を伺ったのは、宮本光昭さん(仮名・63歳・会社役員)。

結婚35年、3歳年下の妻が、年末の同窓会以降、明らかに態度が変わっていったという。長男は30歳で英国在住、28歳の長女は美容師として活躍中。理想的な家庭を築いてきた。

【その1はこちら】 

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家事は一切しなくていいという家庭

お話を伺ったのは、宮本光昭さん(仮名・63歳・会社役員)。

結婚35年、3歳年下の妻が、年末の同窓会以降、明らかに態度が変わっていったという。長男は30歳で英国在住、28歳の長女は美容師として活躍中。理想的な家庭を築いてきた。

「還暦記念の同窓会みたいなものがあって、妻はずいぶん楽しそうにして帰ってきた。行くまでどうしようか迷っていたから、『行ってよかったね』と伝えると、ギョッとした顔をしたことがおかしいといえばおかしかった」

光昭さんに妻はどのような女性かと聞くと、「包み込むように優しい」という。

「体型のこともあるんだろうけど、とことん世話を焼いてくれる。察して体が先に動く人ともいえる。この35年間、家事を一切やったことがないし、文句を言われたこともない」

なぜ、そのことに気が付いたかを伺うと、40代の部下のグチを聞いたから。

「今、“育メン”、“家事メン”って言うみたいだよね。共働きならいいけれど、ウチの会社は給料がいいから奥さんが専業主婦という家庭も多い。先日、喫煙室で部下がしきりに私をうらやましがるから、何のことかと思ったら、彼らの奥さんはすごく怖いんだ。靴下を丸めて脱いで部屋に置いておくと激怒される。靴を3回揃えなかったら家出された。洗濯が終わった洗濯物をほぐさずに乾燥機にかけたら口をきいてもらえなかったなど、驚くくらい厳しい。『宮本さんの奥さんみたいな人が理想ですよ』と口をそろえている。妻は一切の家事を私にさせていない。やろうとすると、『いいわよ。私が好きでやってるの』と笑ってくれる」

長男と長女は、かゆいところに手が届くような母親の世話を嫌がって、早々に独立した。

「いい大人なんだからやめろよ、と何回言っても、部屋を掃除したり、洗濯したりする。それを嫌がって、2人とも家をすぐに出てしまった。育児で燃え尽きる“空の巣症候群”を心配していたら、ワイン教室や料理教室に通ってイキイキし始めた。あのころから、痩せてキレイになって、また太ってを繰り返していたかもしれない」

経験上、結婚している女性が、男性目線での“キレイ”……すなわち、華奢な身体、ツヤツヤの髪、大きな目、若々しさのようなものを演出していくのは、背景に恋人がいるケースが少なくない。

「ということは、10年前から、浮気を繰り返していたということになるね。そうなると、たくさんの謎が解けてくる。短大の同級生と小旅行に出かけたり、帰宅が遅くなったり。私も仕事で遅くなっていたし、妻は家事の手を抜くことがなかったので気にも留めなかった」

「女として必要とされたい」と、何度か言われていた【次ページに続きます】

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