文・石川真禧照(自動車生活探険家)
1974年の登場以降、シンプル・イズ・ベストに徹した作りで人気を博してきた世界的名車「ゴルフ」。8代目となる新型車は、小排気量ながら最新のターボとハイブリッド技術により小気味いい走りを堪能できる。
デジタル時代の大衆車
新型ゴルフは、2021年6月に正式発売された。初代から数えて8代目にあたる。
ゴルフは新型車を開発するたびに新しい開発目標を定めており、今回の新型ゴルフは、世界の大衆車のリーダーを自負するフォルクスワーゲンの最新技術が充分に投入され、「デジタル化」「電動化」「運転支援システム」の3点を大幅に進化させている。
日本では排気量1Lのガソリンターボエンジン+モーターと、1.5Lガソリンターボエンジン+モーター、2種類のマイルドハイブリッドが当面展開される予定だ。
排気量や気筒数による想定を上回るなめらかな加速性能
今回、試乗したのは、「eTSI アクティブ」という新型ゴルフの4グレード中、2番目に安価なグレードである。3気筒1Lガソリンターボエンジン+モーター。こう書くとなんだか頼りなさそうにも思えるが、最新の技術は目ざましい進化を遂げていて、驚くほどの走行性能を体験できた。
エンジンを始動させると、アイドリング時の音は静かで抑えられている。走り出して2000回転を超えるとターボ過給の効果もあり、軽快に加速する。0km/h→100km/h加速を計測すると、10秒台を切った。これはかつての2Lクラスのスポーツセダン並みの加速性能である。
ハンドルと一体となったパドルシフトのレバーを操作して変速すれば、さらに小気味のよい加速感を楽しむことができる。
走行状況によりエンジンを停止した慣性走行も行なう。燃費にも効果があり、ほぼカタログ数値に近い燃費結果だった。エンジンの再起動も気付かないほどスムーズ。
前後席ともに広く、4〜5人乗車しても快適。安全装備やナビゲーションなどが標準装備なのもうれしい。人生はじめての輸入車にすすめたい一台だ。
フォルクスワーゲン/ゴルフ eTSI アクティブ
全長×全幅×全高:4295×1790×1475mm
ホイールベース:2620mm
車両重量:1310㎏
エンジン・モーター:直列3気筒DOHCターボ 999cc・交流同期
最高出力:110PS/5500rpm:13PS
最大トルク:20.4㎏-m/2000~3500rpm:6.3㎏-m
駆動方式:前輪駆動
燃料消費率:18.6㎞/L(WLTCモード)
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン 47L
ミッション形式:7速自動式(デュアル・クラッチ・トランスミッション)
サスペンション形式:前・ストラット式 後・トレーリングアーム式
ブレーキ形式:前・ベンチレーテッドディスク 後・ディスク
乗車定員5名
車両価格312万5000円
問い合わせ先カスタマーセンター 電話:0120・993・199
文/石川真禧照(自動車生活探険家)
撮影/佐藤靖彦
※この記事は『サライ』本誌2021年10月号より転載しました。