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明治期に登場した大学ノートのスタイルを守りながら、1947年から用紙や罫線、製本などにこだわり続けているのが、ツバメノートだ。

用紙には、英国発祥の「フールス」と呼ばれる中性紙を一貫して使用している。インクの浸透率がよく裏写りしにくい、優れた特性を持つノート専用紙である。

その品質の証として、紙に透かしが入っていたことを憶えておられるサライ世代も多いことだろう。透かしは30年ほど前まで使用されていた。

スカシが品質の証だった(今はない)。

高品質の証だった透かし。

紙は蛍光染料を使用せず、目に優しい。罫線引きも用紙の糸綴じも、熟練の職人が携わる。シンプルでありながら、使いやすさに徹したノートだ。

丈夫な糸綴じ。

丈夫な糸綴じ。

定番スタイルを守りながら、新製品の開発にも余念がない。

例えば、日本野鳥の会が監修した、その名も「ツバメかんさつノート」(A5判/360円)は、見開きの左側は観察記録のスケッチを描いたり写真を貼れるスペース、右側は多目的に使える5ミリ方眼の罫線が引かれている。

使い方はその人次第、旅の記録などにも使えるユニークなノートだ。

日本野鳥の会

ツバメかんさつノート。

そして隠れたヒット商品が、縦書き用の小型ノートだ。俳句などで吟行するのにちょうどいいポケットサイズ(A6判/160円)で縦に罫線が引かれている。カバー付きの「俳句手帖」(B7判/630円)は、小型の鉛筆が挿せるようになっている。

俳句用小型ノート。

俳句用小型ノート。

大学ノートの表紙に、ディスニーやスヌーピー、ムーミンなどのキャラクターを配した製品や、リングタイプも発売している。製品のバリエーションは増えても、多くの用紙に「フールス」を採用している。

品質を至上として、時代のニーズに合わせたノート開発を続けているツバメノート。これからも新たなファンを獲得していくことだろう。メイド・イン・ニッポンの、誇るべきノートメーカーだ。

※記事中の価格は税別です。

文/宇野正樹、写真/高橋昌嗣

※「メイド・イン・ニッポン」を特集した『サライ』9月号が発売中です。「世界がうらやむ『ニッポンの銘品』11」の一つとして、ツバメノートの大学ノートを紹介しています。

 

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