取材・文/堀けいこ

気鋭の真打として注目を集める、落語家の春風亭一之輔さん。寄席や劇場を忙しくめぐる毎日を送っている師匠に、旅にも活躍する『アクアスキュータム』の装いを纏っていただいた。ご本人も「洒落てますね!」とご満悦。

洒落たハイネックのセーターを合わせたコーディネイトが、よくお似合いの師匠。アウターには、収納力の高いポケットや肩けんしよう章、リボン状テープで丈夫に付けたボタンなど、『アクアスキュータム』の今季のテーマであるミリタリー(軍用の服)の機能的デザインが取り入れられている。アウター10万円、セーター3万4000円、パンツ2万6000円、帽子1万8000円。撮影/稲田美嗣

東奔西走。全国の寄席や劇場で、客席を沸かせている春風亭一之輔師匠(39歳)。扇子を手にした着物姿がお馴染みだが、今回は落語愛好家もめったに目にすることのない、洋服姿でのご登場を願った。

日々、着物を収めた鞄を抱え電車で移動。はたまた新幹線や飛行機での遠出も多いため、私服は軽快でカジュアルになる。ただ、洋服を選ぶのがなにより苦手。店に居られるのは5分が限界とか。

「旅先で寒くてやむなく上着を買うなんてことも。そんな時は、迷わず黒か紺、グレーを選びます」

ここで師匠が着たのは、英国の老舗『アクアスキュータム』の濃紺のアウター。

「着丈がほどほどで、好みです。ネタ帳や携帯を入れるのに、ポケットがたくさんあるのもいい」

薄い中綿入りのキルティング地は軽く重ね着がしやすいため、秋口から真冬、春先まで活用できる。

「落語家にもお洒落な方はいます。例えば柳家小満師匠。着物も洋服も着せられてる感じがない。あれが粋っていうんでしょうね」

出番15分前、楽屋で着物に着替える一之輔師匠。帯を締め、羽織の紐を結ぶと、気が引きしまるという。「さつまさ」の出囃子で高座に上がるその後ろ姿、粋です。

モデル/春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)
昭和53年、千葉県野田市生まれ。日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。平成16年二ツ目昇進、同24年、真打昇進。同22年度文化庁芸術祭新人賞、24、25年と2年連続で国立演芸場花形演芸大賞。新聞・雑誌の連載、ラジオやテレビでも活躍。『春風亭一之輔の、いちのいちのいち』(小学館刊)など著書多数。

※掲載商品の問い合わせ先/レナウン プレスポート 電話:03-4521-8190

※この記事は『サライ』本誌2017年11月号より転載しました(取材・文/堀けいこ、撮影/稲田美嗣)

 

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