1300年以上の歴史がある奈良の古社・春日大社では、同社所蔵の国宝を含む貴重な文化財の数々を一堂に展示する展覧会が開催されています。(~11月27日まで)

「国宝 赤糸威大鎧(あかいとおどしおおよろい)(竹虎雀餝)」提供:春日大社

「国宝 赤糸威大鎧(あかいとおどしおおよろい)(竹虎雀餝)」提供:春日大社

春日大社では創建以来、「式年造替」(しきねんぞうたい)と称して、20年に一度、御殿の建て替えと御神宝の新調が繰り返し続けられてきましたが、その60回目にあたる式年造替が、まさに去年から今年にかけて行われています。

今回の式年造替を記念して、改修工事のため閉館していた宝物殿が、「春日大社国宝殿」と名を改めてリニューアルオープンしました(10月1日開館)。

この「春日大社国宝殿」は、王朝の美術工芸、日本を代表する甲冑や刀剣など、国宝352点、重要文化財971点をはじめ、多くの文化財を所蔵しています。本展はその開館記念展です。

岸田劉生《壺の上に林檎が載って在る》〔1916(大正5)年 東京国立近代美術館蔵〕

岸田劉生《壺の上に林檎が載って在る》〔1916(大正5)年 東京国立近代美術館蔵〕

本展の見どころを、春日大社・広報担当の秋田真吾さんにうかがいました。

「リニューアルされた国宝殿には、春日の水や杜を感じるインスタレーションや日本最大級の高さ6.5m、重さ2トンの鼉太鼓(だだいこ)を展示する空間が設けられました。開館記念展のために国宝・重要文化財の中から選りすぐった、珠玉の名品約50点とともにご鑑賞ください。

また、このたびの第六十次式年造替にあたって、11月6日の正遷宮(しょうせんぐう)の前後にさまざまな奉祝行事が執り行われます。10月には6日~23日のお砂持ち行事・国宝御本殿特別拝観、11月には7日の後宴之舞楽、8日の奉祝式能、10日の奉祝狂言はじめ11日~13日の正遷宮初まいり(御本殿特別参拝無料開放)などなど、古式豊かに奉納される行事が目白押しです。

本展は10月、11月の奉祝行事の期間中休まず開催しています。ご参拝の機会にぜひ足をお運びください」

内外装が一新された国宝殿。清新な空気のなかで日本を代表する名宝をご堪能ください。

春日大社のサイトはこちら

【開館記念展『春日大社の国宝―千年の秘宝と珠玉の甲冑刀剣を一堂に―』】
■会期/2016年10月1日(土)~11月27日(日)
■会場/春日大社国宝殿
■住所/奈良市春日野町160
■電話番号/0742・22・7788
■料金/一般500円(20名以上の団体は400円) 大高生300円 中小生200円
■開館時間/10時から17時まで(入館は16時30分まで)
■休館日/会期中無休
■アクセス/近鉄奈良駅・JR奈良駅より奈良交通バス春日大社本殿行きで「春日大社本殿」下車すぐ、市内循環バス(外回り)で「春日大社表参道」下車徒歩約10分

取材・文/池田充枝
1989年「サライ」の創刊時より歴史資料の調査や展覧会情報を中心にフリーランスで「サライ」の取材・執筆に携る。

 

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