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明治期の職人技の凄み!高度な工芸技術に唖然となる「驚きの明治工藝」展

《自在龍》

《自在龍》

東京・上野公園にある東京藝術大学大学美術館で、驚くべき技術で作られた明治時代の工芸品の展覧会が開催されています。(~10月30日まで)

出品作は、台湾人のコレクター宋培安(そんぺいあん)氏によって集められたもの。宋氏は漢方の薬剤師で、健康薬品の販売や生命科学の講座を開設しています。26年前に日本の象牙彫刻に感動したことをきっかけに、明治時代を中心とした江戸時代末期から昭和初期頃までの工芸品の収集を開始し、今やコレクションの数は3,000点に及びます。

最も目を見張るのが、「自在置物」です。自在置物とは、鉄や銅で、龍や蛇、昆虫、鯉などの生き物を写実的に作ったもの。細かなパーツが組み合わされているため、その名の通り自在に動かして、ポーズを決められます。

江戸時代に、甲冑を作っていた職人が作り始め、明治時代には京都の専門の工房で主に輸出向けに生産されました。日本に現存するものは少なく、一度に20点以上を見られる機会はめったにありません。

山田宗美《兎》

山田宗美《兎》

山田宗美(やまだそうび)の「兎」は一見、型に金属を流し込んだ普通の置物に見えるのですが、その制作方法を聞くとびっくり。溶接を一切用いず、鉄の塊を槌で打ちながら成形する鍛金という技法で作られます。現代の専門家でもなかなか再現できない技術です。

大島如雲《狸置物》

大島如雲《狸置物》

金工以外にも、七宝や漆工、陶磁、染織などが含まれ、工芸のジャンルが網羅されています。宋氏は収集が広がったのは「かつて日本でつくられた素晴らしい品々を、当事者である日本人がほとんど知らないということを知ったのがきっかけです」(展覧会カタログより、以下同)と説明します。

江戸から明治へ時代が変わったとき、それまで主たる注文主であった武士が没落したため、工芸の職人達は海外に販路を見出しました。そのため、良質なものは日本には少なくなってしまったのです。

宋氏は「海を渡った作品とその作家たちが、里帰りして故郷で認められる機会になることを願っています」と語っています。日本で接することが難しくなってしまった明治工芸の魅力を、ぜひ会場で発見して下さい。

【「驚きの明治工藝」展】
■会期/2016年9月7日(水)~10月30日(日)
■会場/東京藝術大学大学美術館
■住所/東京都台東区上野公園12-8
■電話番号/03・5777・8600(ハローダイヤル)
■料金/一般1300円(団体1100円) 大学・高校生800円(団体600円)
■開館時間/10時~17時(入館は16時30分まで)
※10月21日(金)、22日(土)は、上野「文化の杜」TOKYO数寄フェス(仮称)開催のため、20時まで臨時夜間開館いたします(入館は19時30分まで)。
■休館日/月曜日(10月10日は開館)、10月11日(火)
■アクセス/JR上野駅公園口、東京メトロ千代田線根津駅より徒歩10分
京成上野駅、東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅より徒歩15分
JR上野駅公園口から循環バス「東西めぐりん」(東京芸術大学経由)で4分、停留所「東京芸術大学」下車(30分間隔)
■展覧会公式サイト: http://www.asahi.com/event/odorokimeiji/

取材・文/藤田麻希
美術ライター。明治学院大学大学院芸術学専攻修了。『美術手帖』などへの寄稿ほか、『日本美術全集』『超絶技巧!明治工芸の粋』『村上隆のスーパーフラット・コレクション』など展覧会図録や書籍の編集・執筆も担当。

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