かつて旭山動物園で飼育員を務めた経験を持つ異色の動物画家、あべ弘士(1948-)の画業を辿る展覧会が、東京・石神井にあるちひろ美術館・東京で開催されています(~11月6日まで)。
絵本画家、いわさきちひろ(1918‐1974)の自宅兼アトリエの跡地に立つちひろ美術館・東京は、ちひろの絵を中心に世界の絵本原画を収集・公開・紹介しています。本展はその企画展です。
本展の見どころを、ちひろ美術館・東京のシニア・アソシエイト中平洋子さんにうかがいました。
「“行動展示”の先駆けとして注目を集める旭山動物園(北海道旭川市)で、飼育員を25年間務めた異色の経歴を持つ画家、あべ弘士。動物園を退職後は、アフリカや北極圏など、雄大な自然のなかで生きる動物たちを取材し、ユーモアあふれる独創的な視点で作品を発表し続けています。
本展では、初期から近作までの絵本原画74点、立体作品(フラミンゴ38点、キリン3点、オオカミ約100点)、ねぶた4点のほか北極圏での貴重なスケッチや写真などの資料を出品し、いのちのリアリティを映し出す動物画家、あべ弘士の全貌を紹介します」
ベテラン飼育員ならではの動物をこよなく愛する視線が感じられる作品を、ぜひ会場でご鑑賞ください。
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【企画展 あべ弘士の動物王国展】
■会期/~11月6日(日)
■会場/ちひろ美術館・東京
■住所/東京都練馬区下石神井4-7-2
■電話番号/03・3995・0612
■料金/大人800円 ※高校生以下無料、10名以上のグループ・学生証所持者・65歳以上は700円、障がい者手帳所持者と介添者1名は無料
■開館時間/10時から17時まで(入館は16時30分まで)
■休館日/月曜日(ただし祝日・休日の場合は開館、翌平日休館)、10月11日(火)
■アクセス/西武新宿線上井草駅より徒歩約7分、JR荻窪駅より西武バス・石神井公園行き(荻14)及び西武池袋線石神井公園駅より西武バス・荻窪行き(荻14)でいずれも「上井草駅入口」下車徒歩約5分
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取材・文/池田充枝
1989年「サライ」